こんにちは、hiroです。
今回は、東野圭吾さんの小説「ウインクで乾杯」の感想を書きます。
東野圭吾さんの作品はとても読みやすく、この小説も本格ミステリーでありながら、どこか軽快に読み進めていくことができます。
平成4年に初版が発行されて以来、次々と増刷し、20年以上たった今でも読まれていることがうかがえます。
そして、ラストの人間味あふれる登場人物たちのやりとりが素敵だと思いました。
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「ウインクで乾杯」のあらすじ
パーティコンパニオンの「小田香子(きょうこ)」は、仕事先のホテルの客室で、同期の人間が死んでいたのを知り、恐怖する。
現場は完全な密室で、毒入りのビールを飲んで死んでいたことから、警察は自殺を軸に調べていた。
しかし、なぜ死んだのかという疑問がぬぐいきれない香子は、いろいろと調べ始める。
真実に近づいて行くにつれ、香子の親友が殺されてしまう展開に。
そして香子にも魔の手がさしかかる。
果たして犯人は誰なのか。
どのようなトリックで犯行を行ったのか。
感想
非常に読みやすい本でした。
主人公である香子のサバサバした感じが、読む側の重苦しさを取っ払ってくれると思います。
犯行のトリックや動機が明らかになって行くにつれ、人間の情というものを深く感じることができました。
ラスト最高
個人的には、ラストの香子と、今回の事件で一緒に真相を究明した刑事「茂田」という男性のやりとりが大好きです。
重苦しい事件が終わったあとの結びを、二人がとてもライトにしてくれたと思います。
そもそも、香子と茂田は同じマンションのとなりの部屋同士に住んでいます。
そこで、茂田が普通に香子の部屋に上がり込んだり、香子が茂田に料理を振る舞ったりします。
今の時代の考えだと、いくら刑事とはいえ、付き合ってもないし友人でもない男性を、女性の部屋に普通にあげるなど、考えられないと思います。
ギャップがまたいい
この二人がそんなに親しくない最初の場面においても当たり前のように男が女の部屋にあがるというのは、ジェネレーションギャップを感じました。
今の時代では考えられないよなぁと苦笑いしつつも、男としての僕は、ちょっとした憧れというか、うらやましいと思ったことは内緒。
推理小説としては、今も昔も普遍的な部分があります。
しかしその中に、当時の時代背景というスパイスが加わることによって、この小説に味が出てきたのではないだろうか。
今の時代に昔の本を読むことで、軽いショックを受けながらも、どこか新鮮な気持ちでよくことができるのがいいですね。
とにかく東野圭吾さんの本は、どれもおもしろいです。
これからも、過去の作品から新作まで、幅広く読んでいこうと思います。
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