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【ネタバレ感想】トーン・ヘレン作「ハリネズミの願い」は、共感できる人多いんじゃないかな。

こんにちは、hiroです。

今回は、トーン・ヘレン作「ハリネズミの願い」を読んだ感想を書きます。

 

ハリネズミの願い

 

この本は、「2017年本屋大賞の翻訳小説部門」の受賞作です。

孤独と戦うハリネズミは、どこか現代人に似ているなと感じました。

 

あらすじ

自分の体に付いているハリが嫌。

周りにどう思われているかが不安で仕方がないハリネズミ。

 

ある日、動物たちを家に招いてみてはどうかと思い立つ。

早速、手紙を書いてみるが、実際会うという不安と恐怖に負けてしまう。

 

書いた手紙を机の引き出しに入れたまま、ハリネズミは、途方もない妄想を繰り返す。

果たして、友達を家に招くことができるのか。

 

感想

とにかくネガティブ。

超ネガティブなハリネズミです。

 

僕は読んでいくうちに、

「もうそのへんにしとけ」

「大丈夫だから」

「すごい妄想力(笑)」

と苦笑いしてしまいました。

 

とにかくいろんな動物を自分の家に招き、やりとりをする。

妄想の中でですが。

 

クジラが出てきたり、カメやカタツムリ、さらにはカイブツまで家にやってくるという妄想ぶり。

それほど、真剣に不安になっているということなのでしょう。

 

ほほえましいような、取り越し苦労のような。

どこか愛くるしいハリネズミのネガティブシャワーを、僕は存分に浴びました。

 

自分が,とてもキライ。

ハリネズミは自分のハリのせいで、友達の動物たちと打ち解けられないと思っています。

作中、ハリネズミは、ハリじゃなく翼だったらと言ったり、ハリを抜いてみたりします。

 

自分自身にコンプレックスがあり、それが原因で一歩前へ進むことができない。

これは、人間にもありますよね。

 

自分は容姿が悪いから、周りとうまくいかない。

けれど周りの人たちは、たいしてそんなこと気にしてなかったりします。

 

ハリネズミも同じだと思います。

真剣にハリについて悩んでいるのですが、おそらく、他の動物たちにとっては、実にどうでもいいこと。

そこに気づくにはどうしたらいいのかなと考えながら読みました。

 

ハリネズミの願い

 

まるでガムが,くつにこびりついたような。

この本では、もういいよというくらい、ハリネズミはネガティブな妄想をしています。

というか、この本の9割が不安と恐怖で埋め尽くされていると言ってもいいのかな。

そのくらい、次から次へと、ハリネズミはマイナスなイメージをし続けます。

 

しかし、よくよく考えてみると、これも僕たちと一緒じゃなかろうか。

一度、不安になったら、そればかりが頭にひっついて離れない。

そして、どんどん悪い想像ばかりが膨らんでしまう。

 

僕はよくあります。

そんなこと起こりうるはずもないことまで考えてしまいます。

 

最初はハリネズミのことを哀れなネズミだなぁと思っていた僕ですが、いつのまにか、「これ自分のことじゃないかな」と思い始めました。

どうやら僕も、ハリネズミと同じらしい。

 

手紙を出す?出さない?

ハリネズミが手紙を出せば、ことは動き始めます。

しかし、それが怖い。

 

特に自分が孤独だと思ってしまっているハリネズミにとって、これほど勇気のいる行動はないと思います。

 

「あぁなったらどうしよう」

「嫌われないかな」

とネガティブな気持ちと、

「なんとかしたい」

という気持ちの葛藤が、ひしひしと伝わってきました。

 

結局、ハリネズミは、手紙を出せずに日々を過ごしていきます。

それほど、本人にとっては、深刻な問題で、悩みに悩んでいると言うことだと思います。

 

安定という誘惑に負けたネズミ。

ハリネズミは、結局手紙を出さず、ベッドの下に潜り込んでしまいます。

このベッドの下が、1番安心するらしいのです。

 

文中でも、

「ここが1番安全だ。・・・ここにいるときが1番自分のことも気にならない」

と言っています。

 

まさに現実逃避。

人間と同じだなと思いました。

 

目の前の苦しい現実から目を背け、安全な道を選んでしまう。

しかし、それをしてしまうと自己嫌悪。

そしてなんとかしなきゃと思い、腰を上げるが、恐怖と不安に押しつぶされる。

 

その繰り返し。

すっごくわかります。

 

僕も、何度変わりたいと思ったか。

けれど変わるためには、いくつかの壁を乗り越えなければならない。

 

それを知ったとき、その壁を越える労力を計算し、結局、挑戦せず安定を求めてしまう。

それが情けなくて、自己嫌悪。

ハリネズミと一緒だなと、僕は苦笑いしました。

 

「かわいそうなハリネズミ」と思って読んでいたのに、いつのまにか共感の嵐となっていました。

 

ハリネズミの願い

 

個人的におもしろかった場面

ハリネズミが、フクロウを家に招く妄想をします。

その際、フクロウは行くことができないとハリネズミに手紙を書きます。

その手紙の内容が、思わず吹いてしまうほど、おもしろいのです。

 

おもに、ハリネズミの家に行けない理由がかかれています。

その中で、

「到着と暇(いとま)の際の挨拶。未収得です」

だから行けない、と書かれているのです。

 

かわいらしいなぁと思いつつ、それわかるわ~とも思いました。

特に親しくない会社の人とかに招かれたら困りますよね。

 

どう会話していいかとかわからない。

最初の挨拶すら思い浮かばない。

僕はそんなことを考えながら共感していました。

 

リスのナイスな思いやり

ハリネズミは申告に悩んでいるけれど、周りの動物たちにとっては、深刻ではない。

だからどんなに悩んでも、悩むだけ時間がもったいないと思います。

 

自分が思っているほど、他者は自分に興味はない。

そう思うことで、少し楽になるのかなぁと思ったりもして。

 

けれど、他人にとってはどうでもよくても、本人にとっては生きるのが大変なほど深刻なのも事実。

このギャップをどう埋めていくことができるかが、ハリネズミの悩みが解消するカギとなるのではないだろうかと感じました。

 

実際、ハリネズミが悩んでいるときに、リスが突然訪ねてきたところから、ハリネズミの心の枷が外れていきます。

このリスがなぜ、ハリネズミのもとへ訪ねてきたか。

 

リスは、

「誰かが訪ねてきたらハリネズミが喜ぶかもしれないって思ったんだ」

と言いました。

 

僕は、なんて思いやりのあるリスなんだろうと思いました。

と同時に、ハリネズミを救えたのは、自分ではない誰かだったんだと感じました。

 

このリスの思いやりが、ハリネズミの悩みを解消するカギとなったのではないだろうか。

 

人間も同じ。

人はひとりでは生きていけないというように、誰かの支えがあって、自分が成り立つもの。

誰かが悩んでいるときは、思いやりを持って接することが、少しでも悩みを軽くしてあげられるのではないかと感じました。

 

それにしても、リスさん、とってもナイスでした。

 

おわりに

この小説は、何回でも読めます。

そしてそのたびに、新しい発見をしそうな気がします。

人が生きるための力になるかわいい動物たちの物語をぜひ、あなたも読んでみてください。

きっとほっこりしながら、自分を見つめ直すことができますよ。

 

ハリネズミの願い

 

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