こんにちは、hiroです。
今回は、誉田哲也さんの小説、「妖の掟」をご紹介します。
この小説は、10年前に文庫として出版された「妖の華」の過去編。
最強のヒロインとその相棒の、数奇な物語です。
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「妖の掟」の簡単なあらすじ
妖艶な美女の「紅鈴(べにすず)」と、その相棒の「欣治(きんじ)」。
2人は、情報屋の「辰巳圭一(たつみけいいち)」のアパートで共同生活をしていた。
紅鈴と欣治の寝床は、なんと押し入れの中。(まるで、ドラ〇もんのような…)
でもそれには理由があった…。
紅鈴と欣治には、圭一に隠していることがあった。
その隠し事が世の中を混乱に導き、人を死へと追いやることになる…。
おすすめの読み方
小説の出版自体は「妖の華」のほうが早いです。
けれど、個人的には、過去編である「妖の掟」を読んでから「妖の華」を読むのが、物語の深みを味わえると思います。
「妖の掟」の見どころ
紅鈴と欣治の、人に知られてはいけない凶暴な隠し事。
そこに第3者の圭一が介入することで起こる化学反応。
物語の後半からの怒涛の展開は圧巻です。
そして、まさか最終的にこんな結末になろうとは…。
ハラハラドキドキというよりは、ずしんずしんとダークな物語が進んでいく感じです。
(※ただし、「妖の華」を先に読んでいると、物語の展開がわかってしまうので注意!)
ネタバレ感想
ここからはネタバレ感想になります。
まだ読んでいないあなたは、ここまで。
ぜひ、自分の目で紅鈴と欣治の運命を見届けてやってください。
紅鈴と欣治の絆
物語を読んで強く感じたこと。
それは、「紅鈴の欣治に対する愛情の深さ」です。
欣治と一緒にいる紅鈴は、本当に楽しそうです。
僕は、「あぁ、幸せそうだなぁ」と感じながら物語を読んでいました。
どこか自由奔放な感じがする紅鈴ですが、欣治がいるからこそできる立ち振る舞い。
お互いがお互いを理解し、尊重する姿には、「美しい」という言葉がピッタリだと思います。
僕が一番心に刺さったシーン
それは、紅鈴が死んでしまった欣治の「土」を口にする場面。
吸血鬼は、死んでしまうと土となって崩れてしまいます。
紅鈴は、欣治の亡骸(土)を集め、まるで遺灰のように大切に保管していました。
しかし、欣治を失った寂しさから、その土を何度も口に運びます。
紅鈴のぽっかりと空いた心を、欣治の土で埋めているような感じがしました。
200年の時を一緒に過ごしてきた二人の絆の深さは、たかだか30年しか生きていない僕の想像では計り知れません。
それでも、紅鈴が欣治をこよなく愛していたことを強く感じさせられるシーンでした。
いざ、「妖の華」へ
欣治を失い、紅鈴はこれからどう生きていくかを模索していた。
そこで偶然、「ヨシキ」というだらしのない男に出会う。
どこか欣治に似ているヨシキに興味を抱く紅鈴。
しかし、お互いに接点が生まれていた裏で、身も震えるような事件が起きていた。
ここから、「妖の華」の物語は進んでいく…。
続きは、あなた自身の目で確かめてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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