こんにちは、hiroです。
今回は、誉田哲也さんの小説、「背中の蜘蛛」を読んだ感想です。
もしこのような出来事が現実に起きていたら…。
そんな寒気を起こさせる小説でした。
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「背中の蜘蛛」簡単なあらすじ
警視庁の刑事の本宮(もとみや)は、とある事件で「あること」に触れ、犯人を逮捕する。
その半年後、別の事件で再び「あること」により、犯人が逮捕される。
その「あること」に違和感を抱いた本宮がたどり着いた真相とは!?
情報を搾取する
情報化社会だからこそ、考えさせられる物語でした。
あらゆる情報を収集できる術を警察組織が持つことで、難事件を解決に導くことができるのは、良いことだと思います。
ですが、その情報収集はいわゆるプライバシーの侵害ともいえる手法。
国民が知ったら、確実にデモ案件だと感じました。
捜査のためにプライバシーを侵害する
外野から見たら、情報を搾取しているかのようにも思えてきます。
しかし、中で仕事をしている人たちは、めちゃくちゃ大変そうでした。
実際に、精神を病む捜査員も出てきています。
あふれかえる情報を収集し、選別し、吟味し、捜査に生かす。
ただでさえ少ない人員で情報を得なければいけないのは、気の毒だと感じました。
それに、捜査員自身も、矛盾と闘っています。
いくら捜査のためとはいえ、他人のプライバシーを覗いても良いのだろうか。
そして、機密事項がゆえに、その悩みをだれにも相談できないという苦悩。
情報を収集しているのは機械ですが、その機械の向こう側にはやはり人間がいるということを感じさせられました。
機械の脆弱性
どれだけ高性能の機械でも、小さなウイルスひとつで機能停止になる。
たった一つの故障で、これまで進めてきた捜査もできなくなる。
まさに、諸刃の剣ですね。
情報化社会だからこそ重宝される機械でも、故障してしまったらお荷物でしかない。
だったら、地道に足を使った捜査をしたほうがいいのかなぁと感じました。
シンプルを得るために複雑な道を通る
物語を読んでいて、精密機械の複雑さをひしひしと感じました。
一方、犯人の行いや、犯行の動機はシンプルなものでした。
やはり人間は、単純な生き物なのかもしれないと感じました。
情報があふれ、複雑化する社会においても、人間の本質は変わらないのかもしれない…。
と、思っているうちに頭がごちゃごちゃしてきました。
今回の物語は、少々、僕には難易度が高かったかなぁと思います。
もしあなたがまだ読んでいなければ、ぜひ一読してみてはいかがですか?
情報化社会がゆえの情報監視網のありかたを、深く考えさせられるかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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