こんにちは、hiroです。
今回は、伊岡瞬さんの小説、「悪寒」を読んだ感想です。
最後の結末を読んだとき、ゾッとしました。
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伊岡瞬「悪寒」のあらすじ
東京にある大手製薬会社の会社員、藤井賢一。
不祥事の責任を取らされ、山形県の系列会社に飛ばされた。
家族を残しての単身赴任。
とある日、妻の倫子(のりこ)から不可解なメールが…。
「家でトラブルがありました」
その数時間後、妻が傷害致死容疑で逮捕された。
いったい家で何があったのか。
謎が謎を呼び、さらなる謎が謎を呼ぶ。
終わることのない謎の連鎖の結末とは!?
過去のトラウマが牙になる怖さ
最終的に、犯人は、妻の倫子の妹である「優子」。
物語の流れから、何となく倫子は誰かをかばっていたことは想像できました。
僕は当初、娘の香純が犯人だと思っていました。
作中で「自分が犯人です」と言っていたし、妻が娘をかばうというのは容易に想像できたからです。
ですが、容易に想像したからこそ、大きく的を外しました。
優子は、過去の家庭内環境から姉の倫子に対して、大きな憎悪を感じていました。
その憎悪が大人になってさらに膨れ上がっていき、何とかして倫子を不幸にしたいという欲求に駆られてしまう…。
過去のトラウマから生まれた憎悪が牙となり、倫子の人生を簡単に切り刻んでしまう恐怖は、ゾッとするものでした。
すれ違いのやさしさの怖さ
妹の優子の憎悪を引き出す原因となったのは、姉の倫子のやさしさからでした。
優子が粗相をしたとき、いつも「やったのは私です」と倫子は妹をかばっています。
その積み重ねが、優子の自尊心を傷つけ、トラウマにしてしまいました。
倫子のやさしさが、じつは優子を苦しめることになり、取り返しのつかない憎悪を形作っていったことに恐怖を感じました。
失って初めて気づく怖さ
賢一は単身赴任中、家族とうまくいっていませんでした。
妻とも、娘ともぎくしゃくし、悶々としながら仕事をする日々。
賢一は、「自分は家族を愛しているのに…」と思っていました。
しかし、それは自分の思い上がりだったと、痛感します。
事件を担当していた真壁という刑事に、「あなたは奥さんを信じていますか?」と問われ、「もちろん」と答える賢一。
けれど、真相究明して妻の無実を晴らすことよりも、裁判の結果を気にする賢一に対して、真壁は呆れていました。
「ご家族の中で、もっとも愛が欠落していたのは、あなたじゃないでしょうか」
失って初めて「自分が妻を、家族を本当に愛していなかった」という事実を痛感し、反省する賢一。
物語の最終的な結末では、再び妻と手を取り合うことができてよかったと思います。
ですがもし、妻が服役し、娘とも距離が大きくなってしまうと元通りには二度と戻れません。
誰かに言われて初めて気づく。
しかし、時すでに遅し。
そんな状況が起こる可能性があることに、恐怖を感じざるを得ませんでした。
一気読みしてしまった
物語自体は、先の展開が全く読めませんでした。
なので、早く真相を知りたくなり、一気読みしてしまいました。
「すごくおもしろい!」というよりも、「どうなるのか気になる!」という感覚でした。
ラストの真相には衝撃を受けました。
とにかく謎がたくさん降りかかり、読むものを混乱させる小説だと思います。
もしあなたがまだ、「悪寒」をよんだことがなければ、ぜひ読んでみてください。
一気読み必至の小説だと思いますよ。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
伊岡瞬さんの小説では、「代償」もかなりおもしろかったです!
重い内容でしたけど…。
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