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【ネタバレ感想】乾くるみ・小説「イニシエーションラブ」は最後の2行で声が出るほど感嘆した

こんにちは、hiroです。

今回は、乾くるみさんの小説「イニシエーション・ラブ」を読んだ感想を書きます。

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

この小説は、ラスト2行目で「あぁ~!」と感嘆する壮大なだまし絵トリックが仕組まれた内容となっています。

 

簡単なあらすじ

若い男女の甘酸っぱい青春小説・・・と思いきや、ラスト2行目で物語がまったく違った者に変わってしまう。

張り巡らされた伏線が回収されたのちに待ち受ける、登場人物たちの運命はいかに。

 

感想

この小説の前半部分を読んだとき、最初は青春小説だと思っていました。

けれど、後半になるにつれ、ところどころでつじつまが合わない現象が起こります。

読んでいた僕は、「ん?」と首をかしげました。

 

結果としては、甘美な青春諸説を覆してしまいます。

最後の方を読んでいると、ようやく事の次第が明らかになってきて、ラスト2行目で、「なるほど、そうだったのか」と確信に変わりました。

読んでいたときに感じた違和感が解消された爽快感は、最高です。

 

そして、女って怖いなと思いました。

小説の内容的に、男の方が落ち度が多々あるように思えました。

けれど最終的に、女がまさか・・・。

という話になったのは、非常におもしろかったです。

 

物語がリアリティに描かれているので、登場人物に感情移入ができます。

僕は男なので、男の登場人物の気持ちはよくわかりました。

しかし、男のとった行動は納得しがたいものもありました。

 

どちらかというと女性の方に同情めいた気持ちがわきました。

けれどその女がまさかああなるとは・・・。

女も男もどっちもどっちだなと半ばあきれてしまいました。

 

純情小説として読んでいた僕の気持ちは、どこかに吹っ飛んでしまう始末。

そういう面白さがこの小説にはあります。

何度も読み返したら、また違った視点で男女の行く末を考えることができると思います。

 

一度目は、驚かされたけど、2度目は、男女の心情をリアルタイムに推し量っていこうと思っています。

やはり、だまし絵トリックのある小説はおもしろいとつくづく思いました。

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

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