MENU

広告

「本気の育毛日記」2周年!真実を伝えます

【ネタバレ感想】道尾秀介・作「貘の檻」のラストを読んで思うこと。

こんにちは。hiroです。

道尾秀介さんの小説「貘の檻」を読みました。

 

貘の檻 (新潮文庫)

あらすじ

物語の始まりは、意表を突く展開から始まります。

主人公の目の前に、死んだはずの女が現れるという導入。

それだけならまだしも、次の瞬間には、その女が電車にひかれて死んでしまうという事態に。

僕は導入部分からあっけにとられながらも、その後の展開が気になっていきました。

物語が進んでいくうちに、死んだはずの女の正体が明らかとなっていきます。

舞台は主人公が子どもの頃住んでいた村を中心に進んでいき、ラストは少し切ない結末だなぁと感じました。

 

感想(ネタバレあり)

この小説で僕が驚いたのは、主人公の母親が経験した人生の哀しさをまざまざと見せつけられたことです。

主人公の母親は、自分が父親を殺したと遺書に残し、自殺してしまいます。

しかしその後に、じつは母親は父親を殺していなかったという事実が判明したのです。

父親を殺したのは、いわゆる死んだはずの女だったのですが、長年、主人公の母親は自分が犯した罪に苦しんできた事実を考えると、とても胸が痛みました。

最後には井戸に落ちて自殺してしまうシーンが本当に悲しくなりました。

死んだはずの女も、電車にひかれるという結末になるのですが、そこに至るまでの道程が、また悲しいものです。

最後の願いが叶えられずに終わった女の気持ちを考えると、胸が痛みました。

 

読み手の感情を揺さぶる

この小説はどちらかというと暗い小説だと思います。

読後感はなんともやるせない気持ちにさせてくれました。

しかし、ミステリーとしては面白く、ちりばめられた伏線が回収されていくにつれて明らかになる真実が、次へ次へとページを進ませてくれます。

それにしても、ダークな小説は心に負担がかかるなぁ。

と感じていても、読んでしまうんですけどね。

 

貘の檻 (新潮文庫)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Instagram
Twitter
SHARE