こんにちは、hiroです。
今回は、2024年本屋大賞受賞し、空前の14冠を達成した「成瀬は天下を取りにいく(宮島未菜・作)」を読んだ感想です。
※ネタバレあり
「成瀬は天下を取りにいく」簡単なあらすじ
成瀬あかりは、幼なじみの島崎みゆきに宣言した。
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
島崎は、なんのこっちゃと思いつつも、成瀬の行動を見守ることにする。
成瀬あかりは、周囲から変人扱いを受けても物怖じしない。
そのうえで、多くの突拍子のない出来事を自分史に刻んでいく人間であった。
しかし、新たな経験した出来事を自分史に刻んでいく最中、成瀬の心を狂わせていくのであった…。
35歳の私の自分史は、現状真っ白である
中学生の成瀬あかりは、自分史を刻んでいくように生きている。
そんな生き方が35歳の私にもできるだろうかと、自問自答しながら読み進めていった。
私の自分史は、現状、真っ白。
大した人生を過ごせていないのだなと悲痛な思いになった。
成瀬の挑戦心や、一度決めたら必ず実行に移すたくましさ。
本当に、輝いて見えて、うらやましく思えた。
そして、私も成瀬の魅力に引き込まれ、感化されていった。
35歳、今からでも遅くない。
壮大な目標でなくても、
小説を読み進める中で、自分への期待感がふくらんでいくのを感じた。
35歳になって一段と感じるようになったことがある。
それは、「大人はいつも、自分の行いに意味を付加させようとする」ということ。
「こんなことやって、意味があるのか」
「これには、どんなメリットがあるのか」
「やる価値はあるのか」
考えれば考えるほど、何かをやってみようとする気力が失われていく。
そして結局、何の刺激もない、ダラダラとした毎日を過ごしてしまっている。
こんな自分をずっと変えたいと思っていた。
そんな中で、「成瀬は天下を取りにいく」の主人公である成瀬あかりに感化されたのだ。
単純に、夏の思い出が欲しいからという気持ちがあるみたいだが、私には、足しげくショッピングモールに通っている成瀬の目には、違う世界が見えている気がした。
この小説をきっかけに、思い立ったが吉日、
我が道を突き進む成瀬あかりでも崩れるときは崩れる
何かが崩れると、全てが崩れる。
成瀬あかりの心が崩れ始めたのは、島崎の突然の引っ越し宣言。
そばにいるのが自然で当たり前だった島崎が引っ越すと聞いた成瀬は、いつもできていたことや、ルーティンがうまくこなせなくなっていた。
何にも意を返さず、
ショッピングモールに通うのを誘ったり。
M1グランプリに出場するのを誘ったり。
本当は、島崎はイヤだったのではないか…。
罪悪感と、
その後、成瀬は、自分の感情に正面から向き合い、何とかしたいと、もがき苦しみながら、持ち前の行動力で感情の整理を試みる。
しかし、なかなか整理ができず、ますます状況は悪くなる一方だった。
最終的には、成瀬あかりと島崎みゆきの関係の均衡は保たれることになる。
しかし、成瀬にとっては、考えたこともない、
今後、成瀬が
大人になった成瀬あかりは、
「成瀬は天下を取りにいく」は、どんな世代でも心に刺さる小説だと感じた。
今を生きる若者の道しるべとして。
くすぶった毎日を過ごしている大人のカンフル剤として。
私は、この小説を読んで早速、筋トレを始めてみたのであった。
読んだことがないあなたは、ぜひ読んでみてください。
読んだあなたは、さらにパワーアップした成瀬あかりをご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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