こんにちは、hiroです。
今回は、乃南アサさんの小説「しゃぼん玉」を読んだ感想を書きます。
この小説は,自分の存在価値について考えさせてくれました。
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小説「シャボン玉」のあらすじ
通り魔的な強盗を繰り返していた翔人は、宮崎県のある村で、けがを負った老婆と出会う。
これをきっかけに老婆の家に居候をすることになったのだが、なぜか村人は翔人を老婆の息子と勘違いしていた。
村の祭りの手伝いもさせられる翔人だったが、その過程で、自分を大切にしてこなかった心に変化が生じる。
感想(ネタバレあり)
村の中で暮らす翔人は、自らの存在価値を戸惑いながらも見いだしていくのがよかった。
強盗を繰り返すようなどうしようもない人間だった翔人が、どのようにして心を成長させていったかが見物だと思います。
老婆や村人の優しさに触れ、翔人がこれまでしてきた愚かな行為が、翔人の中でどこか浄化されていく感じがしました。
最終的には、翔人はこれからの人生をまっとうに歩もうとします。
そのために、今まで逃げ続けてきた自分と向き合い、交番に自首をしに行きました。
この翔人の決意と生きる希望に、僕はとても感動しました。
シゲ爺の言葉は宝物
翔人が成長するのにシゲ爺も欠かせません。
僕はシゲ爺のセリフの中で、下記のものが心に響きました。
「自分の力じゃあ、しょうがねぇことも、そりゃあ、あるばい。
じゃけんど、自分の生き方についちゃあ、しょうがねぇって諦めたら、そこで終わりばい。
諦めたら、人生なんかやり直せん。どげん若くても」
シゲ爺のセリフ
僕自身も最近、辛いことがありました。
生きてるのが嫌になるくらいでした。
そして、自暴自棄になり、「どうせこの先の人生なんて、つまらないに決まってる」と思っていました。
けれど、シゲ爺のこのセリフに心を打たれ、「今のままでは。ダメだ」と思うようになりました。
けれど、今を変えるのはとても大変なこと。
どのように変えたら良いかすらわからない。
そこでシゲ爺は、「自分から向かっていく力をつけんとなぁ」と言っています。
何かを待つのではなく、自分から探して見つけ出す。
それはもちろんエネルギーを使うが、自分を変えるには必要なことだと思いました。
シゲ爺のセリフは、現代を生きるすべての人たちに聞いてほしい言葉だなぁと思いました。
僕にとってこの小説は、自分の生きる意味、生きる価値を考えさせてくれました。
ぜひ、他の人にもおすすめしたい作品です。
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