こんにちは、hiroです。
今回は岡崎琢磨さんの小説「珈琲店タレーランの事件簿ーまた会えたなら、あなたの淹れた珈琲をー」の感想を書きます。
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
この小説は、「このミステリーがすごい!大賞」の隠し玉として出版されました。
すごく読みやすく、個人的に岡崎さんの文体は大好きです。
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あらすじ
京都でこじんまりと珈琲店を営むバリスタの美星(みほし)が淹れる珈琲に一目惚れをした主人公。
そこから主人公と美星の物語が始まっていく。
聡明な頭脳をもつ美星は、店に舞い込んでくる様々なプチ事件を鮮やかに解決していく。
しかし美星には、誰にもいえない過去があり、その過去のせいで、殻を破れないでいた。
主人公との出会いをきっかけに、美星自身も成長していく物語。
感想
この小説はとにかく読みやすい。
軽快な文体で「読む」という重苦しさを解き放ってくれます。
主人公の突っ込みの仕方が個人的には好きです。
話の内容もリアルな日常に起きそうな出来事を扱っているので、非常に共感がもてました。
バリスタである美星の淹れる珈琲は、主人公曰く長年追い求めたものらしい。
しかも美星は頭脳明晰。
しかし、完璧な女性と思いきや、茶目っ気があったり、心に傷を負っていたり、どこか愛くるしい姿が、僕の心をくすぐりました。
主人公はそんな美星に完全に心を奪われるわけですが、この主人公の無理してかっこつけてるところがまた愛くるしかったりもします。
続編希望
そんな人間模様があふれるこの作品は、1冊で終わらせるのはもったいないと思いました。
ぜひ続編が読みたい。
と思ったら次々と続編が出てきました。
それだけ「珈琲店タレーランの事件簿」は人気があり、僕と同じように続編を望む人たちがいたのでしょう。
今現在、5作出てるので、これから読んでいきたいと思います。
それにしても美星の淹れた珈琲がどのような味がするのか、気になります。
きっとおいしいだけじゃなく、ホッとするような気分にさせてくれるんだろうなぁ。
2020年7月22日再読
久しぶりに読み返しました。
あいかわらず、美星の聡明な頭脳は圧巻ですね。
伏線の多さにも驚かされました。
「あの時のセリフが、こんなところに繋がっていたなんて…!」
ページをめくっては戻り、めくっては戻りの繰り返し。
これほど、ページを行ったり来たりした小説は、初めてです。
そして、伏線がすべて回収されたとき、心が満たされた気分になりました。
小説の題名である「また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」にも注目。
本当の意味がわかったとき、思わず「おぉ!そういうことか!」とうなりました。
温かみのある優しいミステリー小説。
ぜひ一度、読んでみてください。
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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