こんにちは、hiroです。
今回は、芥川賞を受賞した田中慎弥さんの小説「共喰い」の感想を書きます。
この小説は、俳優の菅田将暉さん主演で映画化もされています。
スポンサーリンク
あらすじ
父と父の女とともに暮らす17歳の遠馬(とおま)は、父の性癖を嫌悪していた。
遠馬は、父の血が流れているため、父の性癖も自分の中にあるのではないかと不安に抱いていた。
必死に違うと言い聞かせてきた遠馬だが、どうしても父と同じ衝動に駆られてしまうときがきた。
そしてそれが抑えられなくなってきて・・・。
という話。
感想
田中さんの文体は、どこか国語の教科書に出てくるような感じがして、なつかしくなった。
作品の内容が内容なので、さすがに教科書に載ることはないとは思うけども。
物語自体は、主人公である高校生の遠馬の心の葛藤を描いていると思います。
父親と似てしまうという嫌悪感がありつつも、やがて父親と同じような行動をとってしまう自分に戸惑いを覚えてしまいます。
淡々と進む日常の中での苦悩は、僕たちの生きる世界にも共通するものだと思います。
個人的には、遠馬の母親の肝の据わりっぷりが見事だなぁと思いました。
さすが肝っ玉母ちゃんという感じがしてしまいました。
純文学はなかなか手に取りづらい分野ですが、「共喰い」は比較的おもしろい作品だったかなと感じました。
映画化もされているので、映像ではどのように表現されているか興味があります。
今度機会があったら見てみたいですね。
スポンサーリンク