こんにちは、hiroです。
今回は、佐藤青南さんの小説、「セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻」をご紹介します。
セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
「お願い神様…」
誰もが一度は思ったことのあるであろう、このセリフ。
はたして、この言葉は人を救うことができるのか。
そして、「何かにすがる」ことは良いことなのか。
考えさせられる作品でした。
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セブンス・サインの簡単なあらすじ
警視庁捜査一課の美人刑事、「楯岡絵麻(たておか・えま)」。
彼女は、行動心理学を用いてあらゆる事件を解決してきた。
取り調べの自供率は、なんと100%。
そんな楯岡のもとに、新たな事件が舞い降りてきた。
遺体の胃袋に漆(うるし)が見つかるという不可解な事件。
容疑者を取り調べている最中に、衝撃の出来事も起こってしまう。
真相に迫れば迫るほど、深い闇が垣間見える事件。
はたして楯岡は、事件に終止符を打てるのか!?
何かにすがる意味
楯岡たちは、とある宗教団体に目をつけ、捜査を行います。
その過程で出会う、重い病気を患った少女。
「病気が治りますように」と健気に信仰する姿に、僕は胸を打たれました。
どうやら宗教施設で信仰したことで、病気の症状が軽くなったのだとか。
楯岡たちはそんなことはないと思っても、少女の母親は「この宗教施設にきたおかげで娘の病気が治ってきた」と信じている。
しかし、少女は明らかに病気の症状が悪化していることがわかりました。
それでも、母親は医療を選択せず、娘とともに信仰を続けます。
先行き見えない未来に、何かにすがりたいという気持ちはわかります。
けれど、あまりに没入してしまうと、目の前の現実から目を背けてしまうことになります。
「神様、お願い…」
おそらく多くの人が、思ったことがあるのではなかろうか。
僕にもあります。
受験で合格発表のときに強く願った記憶があります。
その程度の願いなら、良いかと思います。
けれど、やはりそれだけに頼るのは危険。
事実をしっかり認識し、今自分が何をすべきかを必死に考える。
そして、その強い思いや行いの中に「願掛け」というのがあるのではなかろうか。
けして、目に見えないものを信じるなということではありません。
まずは、現実をしっかり認識し、事実から目を背けないことが大切だと思います。
この小説を読んで、「何かにすがる」ことの意味を考えさせられました。
僕の考えが正しいとは言えません。
ですが、考えることに意義があります。
答えを出すのは難しいと思いますが、これから自分が生きていく人生のどこかでぶつかる問題ではなかろうか。
まだ読んだことのないあなたは、ぜひ一度、読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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