こんにちは、hiroです。
今回は、誉田哲也さんの小説、「Qrosの女」を読んだ感想です。
多くの情報が飛び交う中で真実にたどり着く。
物語が進むにつれて暴かれる「情報の正体」が見物です。
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「Qrosの女」の簡単なあらすじ
CMに出演した謎の美女、「Qrosの女」。
この美女はいったい誰なのか?
ネットで目撃情報が飛び交う中、「栗山」たち芸能記者も真実に迫ろうとしていた。
そして、すべての情報がつながったとき、Qrosの女の運命が明らかになる!
あっけない身バレ
とあるCMに出演したことがきっかけで、「あの美女は、誰だ」と世間の関心を引いてしまった「Qrosの女」。
そして、CMで顔も割れていたこともあり、その正体は意外と簡単に暴かれてしまった。
どんな女性かは、小説を読んでみてください。
しかしながら、物語を読んでいて思ったのが、息苦しい世の中だなぁということです。
まるで、情報のクモの巣に張られているような気分になりました。
情報の矛先が自分に向けられたときの恐怖感や息苦しさはハンパないと思います。
実際、正体が暴かれた「Qrosの女」は、飛び交うネット情報におびえていました。
いつも誰かに見張られている気分。
もし自分がそんな状況になったら、絶対精神を病むと思います。
物語では、芸能記者から買い取った情報を、とある人物がネットにたくさん流していました。
恐ろしいのが、そのとある人物が、あたかも不特定多数の人間がネット上にQrosの女に関する多くの情報を流していたようにしむけていたこと。
一見、不特定多数が書いたように見えるコメント。
それを実は、たった一人の人物が書いていたという…。
しかも、たちが悪いのが、その人物はQrosの女に恨みを持っていたということ。
つまり、Qrosの女の精神をボロボロにする情報を、あたかも不特定多数が書いたように見せかけて、おとしめようとしていたというわけです。
そして、物語が進むにつれ、その情報を流した「とある人物」も特定されます。
なぜ特定されたのかを知ったときは、あっけなさを感じました。
いくら匿名でコメントしても、簡単に身バレはするんだなぁと思いました。
ささいな理由が人を深く傷つける
そして、さらにあっけないと思ったこと。
それは、とある人物がQrosの女をおとしめていた理由。
あまりにも幼稚な理由だったので、拍子抜けしました。
こんなくだらない理由で、Qrosの女は苦しい毎日を強いられていたのかと思うと胸くそ悪くなりました。
でもこれが、ネット情報の怖いところだと思います。
自分の何気ないコメントが、じつは誰かを深く傷つけている可能性があるということ。
匿名である以上、だれでも気軽にコメントや情報が流せる時代。
自分の言葉に責任を持ってコメントすることが大事だと思います。
ですが、なかなか難しそうですね。
今、僕自身がこうして記事を書いているのも、はたして責任を持って書いているのかといえば…。
正直、答えはNOです。
どこかで、匿名だからとか、誰も気にしないだろうと思っている部分があります。
小説「Qrosの女」を読んで、情報を発信する側の情報の扱い方にもっと目を向けるべきだと感じました。
それを自分の戒めとして、今後、記事を書いていこうと思う次第。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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