こんにちは,hiroです。
今回は、岡崎琢磨さんの小説「珈琲店タレーランの事件簿5」のネタバレ感想を書きます。
思わず推理したくなる、ラストの終わり方。
あなたなら、この謎が解けますか?
(※2020年再読の感想は一番下です)
珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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簡単なあらすじ
主人公のひとり、「アオヤマ」がコーヒーにはまる。
そのきっかけは、中学時代に出会った女性だった。
大人になったアオヤマは、女性と偶然再会する。
しかしその女性は、とても謎多き人だった。
ざっくりしすぎか…。
緊迫感がすごい
「タレーランシリーズ」はどちらかというと、ホンワカした印象。
僕は、そのゆったり感が大好きです。
けれど今回は、緊迫感がものすごい。
ミステリー小説として、先が読めないのもおもしろい。
それ以上に、時間制限つきの問題にハラハラドキドキさせられました。
それも、人の生き死にが関わる大きな出来事。
読み進めていくと、心臓の鼓動が早まるような感覚でした。
初恋の相手の運命はいかに
「アオヤマ」の初恋の相手であり、コーヒーを探求するきっかけを与えてくれたこの女性。
女性が深刻な悩みを抱えている中、「アオヤマ」は、どのようにその女性に接していくのか。
そしてその悩みを、解消させることができるのか。
本気の「アオヤマ」
いつになく、「アオヤマ」の本気の姿が見られました。
「こんなに、かっこいい男だっけ?」
そう思うくらい、今回は頼もしかったです。
身を挺してまでも、女性を守ろうとする姿は、男の僕でもほれぼれしました。
残酷?な美星
ラストの緊迫した状況の中で、美星がとった行動。
最初読んだとき、僕は「なんて残酷な…」と思いました。
けれど、聡明な美星。
一見残酷に見える行動にも、理由がありました。
その理由が明らかになったとき、美星の芯の強さを感じました。
ラストの終わり方、あなたはどう思う?
この小説のラストの終わり方はどうなんでしょう?
「アオヤマ」の美星に対する言葉。
その言葉を美星はふわりと微笑むのです。
「ふわりと」です。
一見、「アオヤマ」が美星に告白をしたかのように見えるセリフ。
けれどどこか違うような…。
いや、やっぱり告白なのか?
僕は、この2人の謎のやり取りに困惑しました。
続編希望
「珈琲店タレーランの事件簿6」を読んでみたい。
この先、続編が出るかはわかりませんが、ぜひ、珈琲店タレーランで起こる様々なミステリーをまた読んでみたいです。
2020年7月再読
再度、読み返してみました。
今回のお話は、源氏物語になぞらえたミステリーです。
源氏物語にゆかりがないと、小難しく感じるかもしれません。
それでも、今回の主役である眞子(まこ)という人物の心情は、ジンジンと僕の心にも響きました。
アオヤマにとって、眞子は初恋(?)の相手であり、コーヒーに興味を持たせてくれた女性。
その眞子が苦しんでいることに対して真剣に向き合うアオヤマは、まっすぐで心優しい。
改めて、アオヤマの魅力が伝わってきました。
ラストシーン
そして、ラストがどうしても気になる。
今回、アオヤマが美星に告白ともとれるセリフを言います。
それに対して美星も、承諾ともとれる返事をしています。
これで晴れて、二人は恋人同士…。
というような感じではないように思えました。
腑に落ちない理由は、その後の文章にありました。
例えばこの恋が…?
仮初め…?
終わる…?
としても…?
え?どういうこと?
これってもしかして、何かの伏線でしょうか?
シリーズを通して、アオヤマと美星の仲は、深まっています。
というか、もうすでに二人は「お互いがお互いのことを好きだ」ということを認識していると思います。
「とっとと告白すればいいのに…」
僕はアオヤマに対して毎回思うわけですが、ついに5作目にして告白…。
「ん?したのか!?」
という煮え切らない感じ。
そういえば、シリーズ2作目も意味深なラストでした。
アオヤマの「行きましょう」に対して、美星が承諾した後の「だからどこへも行かないで…」というセリフ。
どういう意味なんだろう?と引っ掛かっていました。
もしかしたら今後、アオヤマは美星のもとから消えるのか?
ふたりは結局、結ばれない運命なのか?
はたまた、今作のセリフの一部であるアオヤマの「おぞましいささやきに耳を貸してしまった僕が…(中略)」というセリフと、美星の「あなたがどこにいても、その居所を突き止め…(中略)」というセリフに伏線があるのか?
今後、アオヤマと美星の間に何か良くないことが起きそう…。
そんな気がする…。
まさか、アオヤマが命を落とすなんてこと…ないよね?
人の良いアオヤマなら、悪人に誘拐くらいはされそうな感じはしますが…。
次回作のシリーズ6はまだ読んでいません。
楽しみな一方、ちょっと読むのが怖くなってきました。
読者としては、ハッピーエンドで結ばれて欲しいと思いますけどね。
どうなることやら…。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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