こんにちは、hiroです。
今回は、誉田哲也さんの小説「インデックス」を読んだ感想を書きます。
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「姫川玲子シリーズ」の第7弾
待ってました。
本作品は、全8編の物語が収録されています。
そのなかでも、「彼女のいたカフェ」と表題である「インデックス」の短編が個人的に良かったです。
以下、ネタバレを含みます。
彼女のいたカフェ
この物語は、あるカフェの店員の視点で描かれています。
その店員の名前は、賀地未冬(かじみふゆ)。
未冬はカフェによく来店する、常連客の女性の姿に見とれていました。
その女性は、モデルのような美しさ。
けれど,無防備な寝顔は愛くるしい。
女性であれば、憧れる存在でした。
月日は流れ、やがてその女性はカフェに来なくなり、未冬も異動でカフェを離れてしまいました。
しかし、未冬は上司から、元いたカフェでチーフとして働いてくれと打診を受けます。
二つ返事でカフェに戻った未冬は、またあの女性と再会することに。
その再会現場が、強制わいせつの事件現場。
そうです。
その女性とは、刑事である姫川玲子。
玲子はカフェで刑法などの勉強をしていたのです。
僕はこの物語を読んで、ほっこりしました。
姫川玲子シリーズはどちらかというとシリアスな場面が多いので、とても温まりました。
玲子の魅力が、違った視点から語られるのは、とてもおもしろいです。
またどこかで、このカフェの店員が出てこないかな。
インデックス
表題のインデックスで、玲子は捜査一課に復帰します。
結構早い段階で復帰できたんだなと僕は驚きました。
しかし最初は、所轄との兼務。
軽く労働基準法に抵触しています。
それでも玲子は、あのときの「姫川班」を再結成すべく、歩みを止めません。
物語が着々と進行しているんだなと感じました。
僕がこの作品で印象に残ったのは、玲子の事件解決後の回想シーンです。
今回の事件では、ヤクザの親分が自分自身の役割を一生懸命にやり抜こうとして、自滅していきます。
それを玲子は振り返り、真面目さゆえに自分を追い込んでしまったり、意欲がふとした瞬間に、自分に牙をむくことの恐ろしさを感じています。
このシーンに僕は共感しました。
あいにく僕は今、うつ病に苦しんでいます。
意欲とか、真面目とか、追い込まれるという言葉に敏感になっています。
だから引っかかったのだと思います。
玲子は、がんばらないのはダメ、がんばりすぎてもダメ、その線引きの見極め方はどうしたらよいのだろうと言っています。
うつ病の人は、真面目な人がなりやすいと言います。
けれどその人たちに、がんばるなと言っても、何も解決しません。
玲子の言うとおり、線引きを見極められないから、追い込まれてしまうのかなとも感じます。
ということは、自分なりの線引きを見つけることが大事なのかな。
ふと、そう思いました。
玲子は、この問いには、しばらく引きずりそうだと言っています。
玲子と同じ悩みを持つことができ、少し嬉しい気分になりました。
さて、いよいよ捜査一課に復帰した玲子。
今後どのような活躍をしていくのか、とても楽しみです。
次回作に、期待します。
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