自分のイメージ通りの構図にならない…。
例えば、ローアングルと指示したのに低い位置から写したキャラが生成できないことはありませんか?
そこで今回は、構図を生成するための「アングル」、「ビュー」、「ショット」という3つプロンプトの使い方を徹底解説します。
この記事を読めば、自分のイメージ通りの構図でAI画像を生成できるようになりますよ。
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もくじ
- 画像生成AIにおけるアングル、ビュー、ショットの定義と役割
- 画像生成AIにおける「アングル(Angle)」のバリエーション
- 画像生成AIにおける「ビュー(View)」のバリエーション
- 画像生成AIにおける「ショット(Shot)」のバリエーション
- No.1 Extreme Close-up (ECU) / エクストリーム・クローズアップ
- No.2 Close-up (CU) / クローズアップ
- No.3 Medium Close-up (MCU) / ミディアム・クローズアップ
- No.4 Medium Shot (MS) / ミディアム・ショット
- No.5 Cowboy Shot (CS) / カウボーイ・ショット
- No.6 Full Shot (FS) / フル・ショット
- No.7 Long Shot (LS) / ロング・ショット
- No.8 Establishing Shot (ES) / エスタブリッシング・ショット
- No.9 Over-the-Shoulder Shot (OTS) / オーバー・ザ・ショルダー
- No.10 Point of View (POV) / 主観ショット
- 画像生成AIで「アングル、ショット、ビュー」がうまく反映されない理由
- 「アングル、ショット、ビュー」をうまく反映させるコツ
- アングル、ビュー、ショットの3つを混ぜたイラストを生成してみた
画像生成AIにおけるアングル、ビュー、ショットの定義と役割
アングル(Angle)

(イラスト:ローアングルを指定した)
役割
カメラの高さと傾き(どこから見るか)
目的
被写体に対する心理的な印象(威圧感、弱さなど)を操作する。
AIプロンプト例
Low Angle
, High Angle
, Dutch Angle
代表的なアングル例
- ローアングル (Low Angle)
被写体を下から見上げるように撮影 。威圧的、強大、英雄的に見える - ハイアングル (High Angle)
被写体を上から見下ろすように撮影 。弱々しく、小さく、無力に見える - アイレベル (Eye Level)
被写体と同じ高さから撮影 。自然で客観的な視点を提供する - ダッチアングル (Dutch Angle)
カメラを傾けて撮影 。不安、混乱、ダイナミックさを表現する
ビュー(View)

(イラスト:主観視点を指定した)
役割
視点の位置と種類(誰の目線か)
目的
視線の方向や臨場感、場所の全体像を表現する。
AIプロンプト例
POV
, Over-the-Shoulder
, Bird's-Eye View
代表的なアングル例
- バード・アイ・ビュー (Bird’s-Eye View)
極端に高い位置からシーン全体を見下ろす (俯瞰)。地図的、広大なスケール感や全体的な状況を示す - オーバー・ザ・ショルダー (Over-the-Shoulder/OTS)
画面手前の人物の肩越しに奥の被写体を撮影。対話や状況に没入感を与え、二人の関係性を示す - 主観視点 / 一人称視点 (First-Person View/FPV)
被写体自身の目線でシーンを描写。没入感や臨場感を高め、感情を共有させる
ショット(Shot)

(イラスト:フルショットを指定した)
役割
カメラと被写体の距離(どこまでをフレームに入れるか)
目的
被写体の大きさや見せる範囲を定める。
AIプロンプト例
Close-up
(顔のみ), Full Shot
(全身)
代表的なアングル例
- フルショット (Full Shot/FS)
被写体を全身が収まるように撮影。被写体の全体像や服装、周囲との関係を示す - ミディアムショット (Medium Shot/MS)
被写体の上半身(腰から上など)を撮影。行動やジェスチャーに焦点を当て、適度な親近感を与える - クローズアップ (Close-up/CU)
被写体の顔や特定の部位を大きく撮影。感情や細部を強調し、強いインパクトを与える - ロングショット (Long Shot/LS)
被写体と背景の空間を広く撮影。場所や雰囲気、スケール感を伝える
様々なアングルから生成した50種類の髪型プロンプトを見たいあなたは下記をご覧ください。
関連記事:【画像と実例あり】2.5次元のAIイラストの髪型プロンプト50選!を読む
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画像生成AIにおける「アングル(Angle)」のバリエーション

(イラスト:ローアングルを指定した)
No.1 Eye-Level Angle / アイレベル
説明
被写体と同じ高さ(目の高さ)から撮影する。
効果・被写体の印象
自然で客観的な視点、安心感、親近感。
No.2 Low Angle / ローアングル
説明
被写体を下から見上げるように撮影する。
効果・被写体の印象
威圧感、力強さ、雄大さ、被写体を大きく見せる。
No.3 High Angle / ハイアングル
説明
被写体を上から見下ろすように撮影する。
効果・被写体の印象
弱々しさ、無力感、小ささ、全体像の把握。
No.4 Dutch Angle / ダッチアングル
説明
カメラを意図的に傾けて(斜めに)撮影する。
効果・被写体の印象
不安、混乱、ダイナミックさ、非日常感。
No.5 Worm’s-Eye View / ワームズ・アイ・ビュー
説明
地面や床に這いつくばったような究極のローアングル。
ビューとなっているが、ローアングルでは物足りないときにワームズアイビューでアングルを調整するので、ワームズアイビューはビューだけでなくアングルでも用います。
効果・被写体の印象
被写体の巨大さを極端に強調、非常に劇的な効果。
No.6 Bird’s-Eye View / バード・アイ・ビュー
説明
極端に高い位置からシーン全体を真上に見下ろす(俯瞰)。
効果・被写体の印象
場所の全体像、広大なスケール、地図的な視点。
No.7 Shoulder Level / ショルダーレベル
説明
被写体の肩の高さから撮影する。
効果・被写体の印象
アイレベルよりもやや低く、親密さや共感を表現。
No.8 Hip Level / ヒップレベル
説明
被写体の腰の高さから撮影する。
効果・被写体の印象
アクションや動きを強調する、カジュアルな視点。
No.9 Knee Level / ニーレベル
説明
被写体の膝の高さから撮影する。
効果・被写体の印象
足元や地面に焦点を当て、移動や不安定さを強調。
No.10 Overhead View / オーバーヘッド
説明
カメラを被写体の真上に配置し、真下に向かって撮影する。
効果・被写体の印象
対称性やパターンを強調する、テーブル上の物を写す際など。
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画像生成AIにおける「ビュー(View)」のバリエーション

(イラスト:「Back view」を指定した)
No.1 First-Person View (FPV) / POV
説明
被写体(またはキャラクター)本人の視点で描く。
効果・被写体の印象
臨場感、没入感、視聴者への強い感情移入を促す。
No.2 Over-the-Shoulder (OTS) View
説明
手前の人物の肩越しに奥の被写体を映す。
効果・被写体の印象
対話、人物間の関係性や緊張感を強調する。
No.3 Bird’s-Eye View / 俯瞰
説明
非常に高い位置からシーン全体を真下に見下ろす。
効果・被写体の印象
広大なスケール、全体的な状況、地図的な配置。
No.4 Worm’s-Eye View
説明
地面や床に極端に低い位置から見上げる視点。
効果・被写体の印象
被写体の圧倒的な巨大さ、劇的な誇張。
No.5 Front View / 正面視点
説明
被写体の真正面から撮影する。
効果・被写体の印象
被写体の全体像、アイデンティティ、ポートレート。
No.6 Side View / 側面視点
説明
被写体の真横から撮影する(真横顔や横移動)。
効果・被写体の印象
動きの軌跡、シルエット、プロフィール。
No.7 Back View / 背面視点
説明
被写体の後ろ姿を撮影する。
効果・被写体の印象
神秘性、感情の抑制、物語の追跡や旅立ち。
No.8 3/4 View / 斜め視点
説明
正面と側面の中間(斜め前)から撮影する。
効果・被写体の印象
立体感、奥行き、ポートレートで最も使われる構図。
No.9 Top-Down View
説明
真上から被写体や物体を撮影する。Bird’s-Eye Viewよりも被写体が画面の多くを占めることが多い。
効果・被写体の印象
デザイン、配置、パターン、テーブル上の物など。
No.10 Rear View / リアビュー
説明
車や建物などの後部を強調して映す視点。
効果・被写体の印象
乗り物の走行感、去りゆく様子、建物の裏側。
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画像生成AIにおける「ショット(Shot)」のバリエーション

(イラスト:No.3 の「Medium Close-up (MCU) / ミディアム・クローズアップ」を設定した)
No.1 Extreme Close-up (ECU) / エクストリーム・クローズアップ
説明
顔の一部(目、口など)や、極めて小さな物体に焦点を当てる。
効果・被写体の印象
感情の極限、細部の質感、強烈なインパクト。
No.2 Close-up (CU) / クローズアップ
説明
被写体の顔全体や頭部を画面いっぱいに映す。
効果・被写体の印象
表情や感情、内面的な心理状態。
No.3 Medium Close-up (MCU) / ミディアム・クローズアップ
説明
胸から上、または肩から上を映す。
効果・被写体の印象
表情と少しのジェスチャー、親密さ。
No.4 Medium Shot (MS) / ミディアム・ショット
説明
被写体の腰から上を映す。会話シーンでよく使われる。
効果・被写体の印象
人物の動作、人間関係、情報伝達。
No.5 Cowboy Shot (CS) / カウボーイ・ショット
説明
太もも(膝上)から上を映す。西部劇で銃を抜くシーンに使われたことから。
効果・被写体の印象
行動や身のこなし、手に持っている道具。
No.6 Full Shot (FS) / フル・ショット
説明
被写体の全身を頭からつま先まで映し、背景も少し入れる。
効果・被写体の印象
服装、全身のポーズ、全体像。
No.7 Long Shot (LS) / ロング・ショット
説明
被写体と背景の空間を広く映す。人物は識別できるサイズ。
効果・被写体の印象
場所の雰囲気、人物と環境の関係性。
No.8 Establishing Shot (ES) / エスタブリッシング・ショット
説明
シーンの場所や時間を示すために、極端に広い範囲を映す(導入部で多用)。
効果・被写体の印象
場面のスケール、世界観、地理的な情報。
No.9 Over-the-Shoulder Shot (OTS) / オーバー・ザ・ショルダー
説明
画面手前の人物の肩越しに奥の被写体を映す。
効果・被写体の印象
対話、人物間の緊張感や視線。
No.10 Point of View (POV) / 主観ショット
説明
被写体自身(または登場人物)の目線で映す。
効果・被写体の印象
臨場感、没入感、体験の共有。
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画像生成AIで「アングル、ショット、ビュー」がうまく反映されない理由

(イラスト:本当はもっと下からのぞく感じだった)
1. プロンプトの優先順位が低い
アングルやショットの指定をプロンプトの最後に置くなど、他の要素(被写体、画風、色)に比べて優先度が低いとAIに判断されると、結果に反映されにくくなります。
2. 指示が抽象的または単語のみ
単に「Low Angle」「Close-up」のように単語だけで指定しても、AIがその具体的な描写を把握しきれない場合があります。また、モデルによっては特定の専門用語を十分に学習していないこともあります。
3. 他の要素との矛盾
たとえば、「遠景の風景画」と「クローズアップ」のように、プロンプト内の他の指示と論理的に矛盾している場合、AIはどちらかを無視するか、不自然な画像を生成します。
4. ネガティブプロンプトとの干渉
意図せずネガティブプロンプト(生成してほしくない要素)が、カメラ設定を打ち消すような効果を生んでいる可能性があります。
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「アングル、ショット、ビュー」をうまく反映させるコツ

(イラスト:先ほどの画像に(Low Angle:1.5),と指定した)
1. カメラ設定をプロンプトの先頭に置く
最も重要な指示をプロンプトの最初に配置することで、AIにその要素を強く意識させることができます。
【例】
- 悪い例:
美しい女性のポートレート、映画風、クローズアップ、ローアングル
- 良い例:
**Close-up**, **Low Angle**, 美しい女性のポートレート、映画風
2. 具体的な描写や状況を付け加える
単語だけでなく、それがどう見えるかを補足することで、AIの理解を深めます。
3. 強調構文やウェイトを使用する
多くのAI画像生成ツールには、特定の単語の重要度を高める機能(例: ウェイト)があります。
- Stable Diffusion など: カッコ
()
や[]
、コロン:
を使って強調する。**(Close-up:1.3)**
や**[[Low Angle]]**
4. 「Extreme」や「Very」で強調する
単純なアングル・ショットの指示の前に、極端さを表す形容詞を付け加えます。
5. ウェイト(強調構文)を使って優先度を上げる
使用しているAIモデルがウェイトに対応している場合、アングル・ショットの指示を強力に強調します。
- Stable Diffusion など: カッコと数字で重要度を高める。
- 例:
(Low Angle:1.5)
(デフォルトの1.0より50%強く反映させる) - 例:
[[Extreme Close-up]]
(モデルによるが、より強い強調)
- 例:
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アングル、ビュー、ショットの3つを混ぜたイラストを生成してみた
「とあるSF映画のワンシーン。巨大な宇宙船が、荒廃した砂漠の惑星上空に不気味に浮かんでいる」
プロンプト例
【アングル】 その宇宙船を、地上のクレーターの底から見上げるような極端なローアングル(Worm’s-Eye View)で捉える。これにより、宇宙船の圧倒的な大きさと威圧感が強調される。
【ショット】 カメラは宇宙船全体を捉えつつ、荒涼としたクレーターの縁も映し込むワイドショット(Wide Shot)で、広大なスケール感を表現する。
【ビュー】 クレーターの影に隠れた主人公の肩越し(Over-the-Shoulder View)に宇宙船が見える構図。主人公の視線の先に巨大な脅威が迫っている臨場感を出す。SF映画のような、暗く、重厚な雰囲気で、ディテールに富んだ描写。」
「学園アニメのワンシーン。放課後の屋上」
プロンプト例
【アングル】 夕焼け空を背景に、フェンスにもたれかかるクールな主人公の男子生徒を、少し下から見上げるローアングルで捉える。彼のクールな表情と、未来を見据えるような眼差しを際立たせる。
【ショット】 キャラクターの胸から頭までを映すミディアム・クローズアップで、彼の細部の表情や髪の動き、制服のディテールに焦点を当てる。
【ビュー】 フェンスの隙間から、彼を心配そうに見つめる別のキャラクターから背中越し(Over-the-Shoulder View)に主人公が見える構図。手前にはぼかされた肩が少しだけ映り込み、視聴者が物語の中に引き込まれるような臨場感を演出する。アニメーションのような鮮やかな色彩と、ドラマチックな光の演出。
「神秘的な魔法の森、幻想的な衣装を纏う女の子」
プロンプト例
【アングル】 輝くクリスタルの泉のほとりで、幻想的な衣装を身につけた少女が、水面に手をかざしている。彼女を水面に近い位置からのローアングル(Worm’s-Eye Viewに近い)で捉え、周囲の巨大な植物や泉の神秘性を強調し、少女がまるで森の精霊のように見えるようにする。
【ショット】 少女の顔と、水面に映る彼女の手、そしてわずかに周囲の植物が映り込むミディアム・クローズアップで、表情の繊細さと魔法の瞬間の集中感を捉える。
【ビュー】 泉の向こう側、茂みに隠れた小さな妖精の目線(First-Person View of a fairy)で少女を見る構図。手前にはぼかされた花や葉がわずかに映り込み、視聴者が密かにこの魔法の瞬間を覗き見ているような没入感を演出する。鮮やかで幻想的な色彩と、きらめく光の粒子が舞う、ファンタジーアートスタイル。
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