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【珈琲店タレーランの事件簿3(岡崎琢磨・作)】勝負の世界ってこんなにドロドロしてるの?【ネタバレ感想】

こんにちは,hiroです。

今回は,岡崎琢磨さんの小説「珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは」を読んだ感想を書きます。

(※2020年再読の感想は、一番下にあります)

 

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 

今作は,1,2作目と違い,とてもシリアスな雰囲気だなぁと思いました。

けれど,あれこれ推理しながら読めたので,とても楽しめました。

あらすじ

関西バリスタ大会に出場した,珈琲店タレーランの切間美星(きりま・みほし)

ハイレベルな戦いが繰り広げられる中,異物混入事件が起こる。

 

しかし犯人がわからないまま,第2,第3の混入が起きてしまう。

美星は,聡明な頭脳で何事件の解決できるのか!

感想

重たい…

まず思ったのが,今作はなかなか重たい話だなぁということ。

1,2作目は,ミステリー小説でありながら,どこか軽快さがありました。

そこが僕のツボにはまって,タレーランシリーズを読み始めたのです。

 

しかし今回,まるで本格ミステリのような,シリアスな場面が多かったです。

読了後,僕の心に何かずしんとのしかかるような気がしました。

それほど,感情移入して読めたということでもあるんですけどね。

美星と一緒に推理ができる

今回の事件は,異物混入。

焦点は,誰がいつ混入したのか。

その推理を,読みながら考えることができます。

 

僕の推理は,残念ながら空振りでした。

けれど,解けそうで解けない絶妙なミステリー要素を大いに楽しめました。

犯人に感情移入する

ネタバレになるのでふせますが,犯人の過去には同情してしまいます。

もし自分が,同じ立場に立たされたら,同じように罪を犯すのでしょうか。

しかも,自分が愛してやまないコーヒーを,報復の道具として使ってしまうほど。

 

それほど追い込まれていたということなのかな。

やるせない,辛すぎる過去に,読んでいるこちらが目を伏せたくなりました。

切間美星の可愛さ健在

あいかわらず,美星の穏やかな口調は,僕を癒してくれます。

今回も,相方のアオヤマと知恵を絞って事件を解決していきます。

一時は,アオヤマを犯人扱いするという予想外の展開も見られました。

 

毎回思うのですが,このアオヤマとの恋模様はどうなるのだろうか。

やっぱり王道で結ばれる運命なのか。

はたまた,コーヒーがらみで波乱の展開があるのか。

続編に期待したいです。

2020年7月再読

改めて読み返しました。

今回のミステリーは複雑怪奇。

3つの異物混入事件を同時に解決しないといけないので、美星の推理も大変そうでした。

難解なパズルのピースをひとつずつ、辛抱強く当てはめるような感覚です。

それでも、最終的にはカチッとすべてが当てはまり、謎が解けました。

 

今回は、関西バリスタ大会で、実力派バリスタが腕前を競い合います。

しかし、その舞台裏はドロドロしたものでした。

正直、いくら実力のあるバリスタだからといっても、この舞台裏を見てしまうと、その人のコーヒーを飲みたいとは思えません。

美星も言っていますが、栄誉ある関西バリスタ大会に憧れを持っても、実際に内幕を知ると、目を背けたくなってしまいます。

 

ただ、勝負の世界というのはこういうものなのだろうか。

さすがに今回の異物混入はやりすぎだと思います。

ですが、「何が何でも勝ちたい」という想いがなければ、表彰台に上がることは難しいのではなかろうか。

実力の世界でトップクラスに立つということは、技術だけでなく、気概も大事だと思いました。

 

さてさて、タレーランシリーズも3作目を読み終えました。

次回の4作目も再読します。

そろそろ、美星と青山の恋(?)の進展に期待したいですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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