- 「予想通りに不合理」ってどんな本?
- この本を読んだら、どういう知識が得られるの?
今回は、この質問にお答えします。
- ビジネススキルを上げたくて、行動経済学・心理学の本を探していたら、たまたま本書を見つけた。
- でも、買おうかどうか迷ってる。
- どんな本かわからないし、買う価値があるのかを見極めたい。
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もくじ
「予想通りに不合理」で行動経済学を楽しく学ぼう
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
「予想通りに不合理」をおすすめできる理由
著者のダン・アリエリーは、行動経済学研究の第一人者。
ユニークな研究を数々こなし、2008年度にはイグノーベル賞を受賞した。
Amazonにおいて、「経済思想・経済学説」のカテゴリでベストセラーになっており、評価も星4.2と高評価である(2020年3月現在)。
本書を一言で表すと?
矛盾だらけのあなたの行動に隠された、驚くべき真実とは!?
本書の中に、「なぜ自分のしたいことを、自分にさせることができないのか」という章がある。
例えば、ダイエットしたいのに、ダイエットが続かないのはなぜか。
それは、たとえ痩せることが望ましいことだとわかっていても、そのために取るべき行動(食事制限や運動)が苦しくて耐えられないからである。
- つまり、目先の行動が自分にとってマイナスなため、長期的な目標を達成する前に耐えられなくてやめてしまう。
では、それに打ち勝つにはどうしたらいいのか。
それは、「マイナスな行動にプラスな行動を組み合わせること」が有効である。
- つまり、苦手なものに好きなものを組み合わせることで、目先の苦しみに耐えることができ、最終的に長期目標にたどり着くことができる。
このように、本書では、自分の意図した行動とは矛盾した行動をとってしまう理由が、様々な章で書かれている。
本書の特徴
- 様々なおもしろい実験が紹介されており、その実験結果を受けて、あなたの日常生活に及ぼす影響を示してくれる。
- 具体例が豊富でイメージしやすいので、行動経済学の「入門」として読める。
- 本書を読んだ後は、「あなたの生活、仕事、お金、恋愛に関わる様々な疑問への答え」が見つかる。
著者が伝えたいこと
この本を通じての私(著者)の目標は、自分やまわりの人たちを動かしているものが何なのかを、根本から見つめなおす手助けをすることだ。
ダン・アリエリー著「予想通りに不合理」
本書は、食事や買い物、お金や仕事、恋愛などの多岐にわたる研究結果から、「あなたの取り巻く状況や生活で起こる行動と決断」に役立てることができる。
各章の要約とまとめ
第1章 相対性の真相
第1章は、商品を売るビジネスマンに役立つ内容である。
本書では、3種類のテレビを例に、お客が選ぶ心理を紐解いている。
- パナソニックのテレビ36インチ =690ドル
- 東芝のテレビ42インチ =850ドル
- フィリップスのテレビ50インチ =1480ドル
はたして、客はどのテレビを購入しようと考えるか。
お客は、異なる選択肢の価値を見積もるのがやっかいだと無意識に感じている。
ダン・アリエリー著「予想通りに不合理」を改変
テレビのブランドや大きさと価格を比べても、どれが一番お得かはわからない。
だからこそ、客の選択は絞られるという。
選択肢が3つあると、たいていの人が真ん中を選ぶ。
ダン・アリエリー著「予想通りに不合理」
では、どのテレビを中間の値段に設定するのか。
一番売りたいテレビということになる。
本書によると、値段の高い料理をメニューに載せると、レストランの収入が増えることがあるらしい。
それは、一番高い料理の次に高い料理を選択するからだそうだ。
だからこそ、2番目に価格の高い料理を一番売りたいものにし、それが高い利益を生み出すように工夫することができる。
さらに、「おとり効果」というものが説明されている。
真に売りたいものと同類の製品を比較対象として用いるというもの。
本書では、「パン焼き機」で説明されているが、恋愛にも大いに使える。
例えば、合コン。
あなたのまわりに、自分より容姿の劣る人をそろえてみよう。
そうすることで、意中の相手はあなたと容姿の劣る人を比べることができる。
つまり、比較対象を作ることで、相手が選択しやすい状況を作るということだ。
第1章では、ビジネスだけでなく、日常や恋愛などにも役に立つ知識が多く書かれている。
この章を読むだけでも、かなりの勉強になること間違いなしといえる。
第2章 需要と供給の誤謬(ごびゅう)
※誤謬とは、「間違っていること」という意味がある。
第2章は、黒真珠の話が出てくる。
当時、「黒真珠の価格はいくらするものなのか」、誰もわからなかったそうだ。
それを、ある人物が黒真珠をとんでもない高級品に変えてしまったらしい。
その手法はシンプルで、広告を出した際、ダイヤモンドやルビーなどの高価な宝石と一緒に、黒真珠を掲載したのだ。
ダイヤモンドやルビーは、高価で簡単には手に入らない。
その宝石たちと一緒に肩を並べることで、黒真珠も高価な宝石という意識を客に刷り込んだということだ。
また、この章では、「アンカリング」という学術用語が出てくる。
この用語も実に興味深い。
黒真珠を高級な宝石として高額で販売したことで、以後、ずっと黒真珠は高価格を保ち続けている。
ビジネスの世界で、新製品の価格を決めることは、その後の価格を決めることと同義であるといえよう。
新製品が、継続的に大きな利益をもたらすか、わずかな利益しか出ないかは、最初の価格設定がカギを握るのかもしれない。
その他の章
ここでは割愛するが、他の章も興味深い。
- 「ゼロ」という数字や、「無料」というワードの力。
- 「イケア効果」について。
- 30日間返金保証のワナについて。
ビジネスでも日常でも役に立つ知識が満載なので、ぜひ一度読んでいただきたい。
本書を読んだ人の声
本書を読んだ人の評価も高い。
- とても読みやすくわかりやすい。
- 研究や事例が豊富でおもしろい。
- 行動経済学の入門として最適。
Amazonの評価も星4.2と高評価なことから、本書が行動経済学の書籍として有用という証明になる。
「予想通りに不合理」を読まなければ、損する
- もしあなたが本書を読んだら、あなたの取り巻く状況や生活の中で起こる「行動と決断」に大いに役立てることができるはず。
食事や買い物、お金や仕事、恋愛などの多岐にわたる事例を知ることで、人がいかに無意識に「不合理な選択」をしていることを知ることとなる。
- 逆に、本書を読まないと、不合理な選択に踊らされてしまい、損をする可能性もある。
だからこそ、知っておくだけでも十分に役立つ本と言えると考える。
関連本や推奨本を紹介
不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ダン・アリエリーの著書、「予想通りに不合理」の第2弾として、「不合理だからうまくいく」という本がある。
この本は、さらに職場や家庭で役立てられるような知識や情報があふれている。
「予想通りに不合理」と「不合理だからうまくいく」の両方を読めば、人間の行動や心理について、より身近に学ぶことができるだろう。
Amazonの188個のレビューで星4.5という高評価の本(2020年3月現在)。
具体的な事例をもとに、人がどのような心理的メカニズムで動かされるかを解明した本。
世界的なロングセラーである社会心理学の名著である。
この記事があなたの読書の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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