こんにちは、hiroです。
うつ病になると、未来のことが考えられません。
僕もそうでした。
1時間後に何をやっているか、思い浮かべてください。
そう言われて、目を閉じて考えてみました。
すると驚いたことに、目の前が真っ暗で、何も考えられなかったのです。
たった1時間先ですよ?
漠然とでも何か思い浮かぶはずでしょう。
でも本当にイメージできないのです。
黒というイメージしかありませんでした。
目の前が真っ暗なのは、目を閉じているからではありません。
はっきりと黒の世界が広がったのを今でも覚えています。
このことは、うつ病になっても,ならなくても、理解しがたい現象だと思います。
当の本人でさえ、未来を想像できず、目の前の真っ暗闇に狼狽したくらいですから。
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のどが渇いたなぁ
僕がうつ病の末期だったのは、暑い夏、8月でした。
夏は当たり前ですが、のどが渇きます。
もちろん、うつ病の人でものどは渇きます。
しかし、健康な人とうつ病の僕には違いがありました。
それは、「飲む」という行動が僕の頭の中に存在しなかったのです。
「あぁ、のどが渇いたなぁ」
そう思いました。
そして、目の前にお茶の入った500mlのペットボトルがあります。
僕はそのペットボトルを見つめてこう言いました。
「あぁ、のどが渇いたなぁ・・・」
飲めばいいのに。
そう思いますよね。
けれど、うつ病の症状がひどかったころは、たとえ目の前にお茶があっても一切手をつけなかったのです。
僕はこの体験から、うつ病の特徴として、「お茶を飲むことができない」ではなく「お茶を飲むという行動が、そもそも脳みそに存在しない」のではなかろうかと考えました。
できる、できないのレベルですらなく、頭の辞書の中から「何か行動する」という文字が消え失せているのです。
理解してもらえなかった
うつ病が一時寛解したとき、知人に「行動が消えて存在しない」ことを話しました。
「へぇ、そうなんだ」
知人は不思議がっていました。
しかし、本心では意味分かんないなと思っていたに違いありません。
そのときの知人の態度を見て、明らかに理解できない感を漂わせていたからです。
正直、うつ病で苦しんでいる僕自身も理解できませんでした。
「なぜ僕は、のどが渇いているのに、目の前にお茶があるのに飲まないんだろう」
モヤがかって思考停止している脳みそで、不思議に思ったのです。
知人も自分自身も理解できない現象でした。
行動が消えるとは
今、冷静に考えてみると、行動するという選択肢が僕の中から消えたのは、「脳みその機能が制限されていたから」ではないかと考えています。
うつ病は心ではなく、あくまで脳の機能障害です。
うつ病末期になると、脳がまったく機能しなくなります。
そのため、行動をつかさどる脳の働きができなくなっていたのだと考えます。
この説が正しいかどうかは置いておくとして。
うつ病の人は、「動かない」のではありません。
そして、「動けない」でもない。
「そもそも動くという選択肢が存在していない」というのが僕の見解です。
怠けて見えるツラさ
行動できないので、一日中ベッドで寝ているということも多々あります。
食事やお風呂に入ることでさえ、相当な労力を必要とします。
どうかそれを「怠けている」と思わないで欲しいと願います。
健康な人にとっては、「行動が存在しない」ということは理解できません。
僕でさえ、そうでしたから。
けれど、そういうことが起こりうるんだと知るだけでもありがたいです。
サポートする方へ
うつ病の人は、常に孤独を感じます。
周囲の人のサポートも、上手く感じとることができません。
うつ病をサポートする人にとっては、辛く苦しい日々を味わうと思います。
けれど、少しずつでも、うつ病に関する知識を蓄えていけば、サポートする負担を軽減できるかもしれない。
そう思い、今回の記事を書きました。
この記事が、うつ病で苦しんでいる人、それをサポートしている人の助けになれば嬉しいです。
マンガでわかりやすい うつ病の認知行動療法―こころの力を活用する7つのステップ
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