こんにちは、hiroです。
「便教会」というのをご存じだろう か?
「勉強会」ではなく、「便教会」である。
これは、トイレを素手で掃除する会のことである。
トイレを素手で掃除して、心の成長を養うものである。
素手といっても、ちゃんとスポンジや雑巾を使っている。
しかし、便器の中まで手を突っ込んで、掃除をするのは、誰もがいやがる行為である。
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中学生のときに経験
中学時代。
地域の方々と一緒に、この鬼畜イベントに参加した。
もちろん、嫌々である。
「トイレを素手で磨くだと!?」
「狂ってるんじゃないか?」と思 った。
僕以外にも、そう思った同士は少なくない。
しかし、僕の中学の校長は、カリスマ。
裏では、「ボス」と呼ば れていた。
それほど、力があり、荒れた学校を更生させた手腕がある。
それはもう、逆らえなかった。
怖くてというより、尊敬の念が強すぎてだ。
そのボスが、「やれ」といっている。
そう、やらないなんて選択肢は最初から存在しない。
いざ、トイレの中に入る。
男子便所は、汚いことは誰もが知っている。
それを素手でキレイにしろと 。
手袋は、もちろん禁止。
正直、トイレに手を触れた瞬間。
じんましんが出るんじゃないかというくらい、身震いした。
無意識に息を止めていた。
覚悟を決めて、便器をスポンジでこする。
運が良かったのは、僕は小便用の便器を担当したことだ。
大便器を掃除することになった、T君、ご愁傷様。
T君よりマシだったが、これがめちゃくちゃ汚いんだ。
トイレのふちは、赤さびがべっとり。
黄ばみもひどい。
僕は,やけくそになった。
まるで火をおこすかのごとく、こすりまくった。
すると、あら不思議。
めちゃくちゃ汚れが落ちていくのではないか!
嬉しさ反面、とっとと終わりたいという矛盾した気持ち。
ただでさえ多感な中学生の時期。
ここまで、めまぐるしく感情が揺さぶられたのは 、初めてだった。
結局、2時間作業し続けた。
よくもまぁ、2時間も便器をこすり続けたものだ。
不思議なことに 、時間が経つにつれ、素手で掃除するのに抵抗感がなくなっていった。
素手なんだけど、エネルギーの手袋を付けている感覚。
HUNTER×HUNTERでいう、オーラを手にまとった感覚。
そう、凝(ぎょう)を使っていたのだ 、きっと。
もはや、怖いものはなくなっていた。
掃除道具を片付けているとき、異変に気づいた。
なんだこの気持ちは…。
キレイになって、気持ちがいい。
いや、違う。
確かに爽快な気分なのだが、どこか違和感がある 。
しかも自分だけでなく、周囲の仲間も何か違う。
なんかこう・・・。
強くなった気がするのだ。
何の取り柄もない平凡な主人公が、ヒーロ ーに変身したみたいに。
心にぶれない芯が形成されたのだ。
これが、「便教会」の真骨頂か。
ただ、掃除するだけでなく、心を強くする。
確かに、このイベントを終えてから、自分に自信を持つことが多くなった。
ボス。これが狙いだったのですか。
だとしたら、さすがボス、我らがボス。
大人になった今
僕は一人暮らししている。
もちろんトイレ掃除をする。
最近では「サボったリング」なる、トイレの黒ずみが目立つようになっていた。
けして掃除をサボっていたわけではないと、言い訳をしておこう。
トイレブラシでこすったが、黒ずみを落とすことができなかったのだ。
なんとかして、黒ずみを落としたい。
そう思ったのもつかの間、僕は便器に手を突っ込んでいた。
もちろん、素手で。
ダイヤモンドスポンジという、魔法の道具の助けを得ながら、ガムシャラにこすった。
すると、黒ずみがとれるどころか、新品同様のキレイな状態に戻ったのだ。
もしあの時、「便教会」に参加していなかったら、この恩恵は得られなかっただろう。
普通に考えて、素手を便器の中に突っ込むなんて、考えられないはずだ。
けれど、僕は、ためらいもなくできたのである。
おかげで、キレイなトイレを保つことができている。
できるビジネスマンは、トイレ掃除を一生懸命にしている。
僕もその仲間に入ることができた。
あとは、できるビジネスマンになるだけだ。
「便教会」という神イベント
僕の中学校だけでなく、全国各地で行われいるようだ。
それほど、学ぶべきもの、得られるものがあるということだと思う。
先ほどは、鬼畜イベントと言ってしまったが…。
もっともっと、この神イベントを普及させるべきだ。
多くの人に、あの得も言われぬ快感を味わって欲しいと願う。
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