こんにちは。
「哲カフェ学びの達人」hiroです。
未来が見えるって,
どんな感覚だろうか?
未来が見えるからこそ,
感じる苦しみがあることを知りました。
伊坂幸太郎さんの小説,
オーデュボンの祈り。
(※以下,あらすじとネタバレが多少あります)
コンビニ強盗未遂をした主人公が,
とある島に連れていかれる。
その島には,話すことができる,
カカシが立っている。
しかも,そのカカシは,
「未来が見える」らしい。
カカシが喋っているという,
目の前の現実に困惑する主人公ですが。
翌日,そのカカシは,
何者かに殺されてしまうのです。
未来が見えるはずのカカシは,
なぜ自分の死を防げなかったのか。
カカシの死の真相を,
最後に明かされたとき。
未来が見えるゆえの,
カカシの苦悩が明らかとなります。
孤島に登場する人物も,
個性豊かです。
唯一,島外と接点が持てる,熊みたいな中年男。
人を殺すことを容認されている美形の男性。
地べたに耳を当て「何か」を聴いている少女。
嘘しか言わない画家。
足を引きずり,鳥をかくまう男性。
皆,一風変わった人物だが,
これらすべての行動に意味がある。
その行動の伏線が回収されるにつれて,
明らかとなっていく,カカシの真の姿。
最後にカカシが選んだ選択は,
人間の愚かさと,未来への可能性を,
見出しているように僕は感じました。
伊坂作品は,
伏線回収がとても爽快であると感じます。
それぞれの伏線に意味があり,
最後の最後でひとつの真実へとつながっている。
伏線ものの小説が好きな人は,
伊坂幸太郎さんの世界観はおすすめです。
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