本書は,
- iPS細胞の山中伸弥氏
- 将棋の羽生善治氏
- 映画監督の是枝裕和氏
- 京都大学総長の山極壽一氏
この4氏の「結果が出るまでに,どんな挫折や下積み時代を経験してきたか」のお話。
著者で京都大学名誉教授の永田和宏氏が企画した講演会を文章にしたもので,偉人たちの「お手本とすべき優れたことば」がたくさん詰まっています。
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もくじ
本書で得られる学び。
「偉人が下積み時代に経験した将来への不安や悩みは,じつは私たち(ことばは悪いですが…)凡人と同じようなものである」ということを知ることができます。
偉人が私たちと同じ悩みや不安を持っているんだと知ることで,「自分の可能性を感じることができ,1歩を踏み出す勇気を与えてくれる」のではなかろうか。
さらに,夢や目標を持ったときに生じる悩みを,偉人はどう解決していったのかがわかります。
体験談だからこそ得られる学び。
誰もが大切だと認識している「行動力」や「継続力」。
これらの抽象的でわかりにくい言葉を,偉人は具体的な体験談で大切さを説いてくれます。
本書を読むと,「行動力」や「継続力」の大切さを身にしみて理解することができるのではなかろうか。
本書を読んでほしい人。
本書は,「何か成功したい,今の自分を成長させたいと思っている人」,「これから社会に出る学生や20,30代の働き盛りのサラリーマン」など,自分のこの先を漠然でもいいから考えている人におすすめ。
特に,「目標や夢があるが,どう向かっていけばいいかわからない人」,「エネルギーはあるが,そのぶつけ先がわからない人」には得るものがあると思います。
私もこんな悩みを持っていた。
- 成功・成長したいが,どうやったらいいかわからない。
- 今の仕事を続けていいか,わからない。
- 有り余るエネルギーをどこにぶつけたらいいか,わからない。
- 夢や目標があるが,本当に達成できるかわかない。
そして,なかなか最初の1歩が踏み出せないでいました。
結果,ずるずると時間に身を任せる日々を過ごしてしまい,何の成果も挙げられずに年を取っていく…。
もしかしたら,私と同じ境遇の人もいるかもしれません。
悩みを解消する”きっかけ”がほしかった。
私はいつも。
- 自分が成長できるきっかけがほしい。
- 自分の本当にやりたいことを見つけるきっかけがほしい。
- 自分なりの有り余るエネルギーのぶつけどころをはっきりしたい。
- 夢や目標に対してどうせ無理と思わず,1歩でもいいから前に進みたい。
と思ってきました。
そんな私が,書店で本書を見たとき,迷わず手に取りました。
私は,この偉人たちのように成功したいという野心があります。
その偉人たちの成功する前の苦労話が書かれているということで,何か学びが得られるのではないかと思いました。
この学びは本当に,貴重。
案の定,たくさんの学びが得られました。
- 偉人と私は,じつは同じ悩みで苦しんでいたことを共有できた。
- 何もしないということが一番良くないことを知ることができた。
- 失敗は怖いけど,無駄にはならないと知り,1歩を踏み出す勇気を与えてくれた。
- 日々の生活の中でじつはさまざまなことに挑戦しており,それを積み重ねていることを自覚した。
- いろんな長さの物差しを持つことが,挑戦するときの不安をやわらげてくれることがわかった。
- 挑戦し続けるには,結果だけでなく,感動をみつけることが続ける原動力となることを知った。
- 相手の立場に立っていても,実は自分の価値観で考えてしまうこともあることを知った。
- 行動することは,不安や悩みを解消してくれるきっかけを与えてくれることを知った。
私は本書を読んで,偉人も自分とほとんど同じ悩みをもっていたことを知り,なんだそうだったのかと腑に落ちました。
そして,悩むだけでなく,何か行動を起こすことが大切。
今芽が出なくても,やり続けることが大切。
偉人の苦しい下積み時代を知ることができ,自分の可能性を感じさせてくれる本に出会えました。
偉人の悩みは,私たちと同じだった。
iPS細胞の山中伸弥氏
本書で書かれている山中氏の悩みの一部をご紹介します。
- 自分の持っているエネルギーをどこにぶつけたらいいのか,すごく悩み苦しんだ時期があった。
- 医者になったが,理想と現実のちがいに打ちのめされた。
- 研究者になったが,自分が研究者なのか,実験マウスの世話係なのかわからなくなる時期があった。
- 論文も酷評され,マウスの世話に追われる毎日から,うつ状態になった。
このような悩みや苦しみは多くの人が感じているはず。
では,山中伸弥氏はどのようにして,この悩みや苦しみを解消したのか。
山中氏は本書で,最も大切な1歩になった出来事を挙げています。
詳しくは本書を読んでいただきたいのですが,私は読んでいて,ものすごい行動力と決断力だなぁと感じました。
そして,締めくくりの「何もしないということだけはやめてほしい」ということばに心打たれました。
いろいろな困難を,苦しみながらも乗り越えてきた山中氏の体験談を読んだからこそ,胸に響きました。
学生や20,30代の社会人にとっては,非常に勇気づけられる言葉がつづられているのではなかろうか。
映画監督の是枝裕和氏
是枝氏の悩みは,今の若い人にとっては,とても共感できると思います。
- 学生時代,好きなことを仕事にできるかできないかをすごく悩んだ。
- その後テレビ局に入社しても「オレにはこんなところでこんなことをしている暇はない」と考えていた。
- 30歳になるころには映画監督になっていたいと思っていたが,どういうふうに日々を過ごせば映画監督になれるのかがまったくわからなかった。
- 「なぜ撮るんだろう」という根本的な部分に悩みを持ってしまった。
とても共感できる,この悩み。
是枝氏はどのようにして乗り越えたのか。
これも本書を読んでいただきたいのですが,悩みながらも続けていたテレビ番組の仕事がきっかけで,大切な気づきを得たそうです。
ここで私が思ったのは,苦しみながらも歩みを止めなかったことが大切なのだなと感じました。
継続することがいかに大切かが身にしみてわかりました。
1冊の本が”きっかけ”になる。
これから社会に出る学生にとっては,貴重な本だと思います。
自分が社会人になってわかるのですが,仕事において能力や方法論だけではなく,気持ちがとても大切になります。
さらに社会に出ているからこそ,夢や目標を持つことがどれだけ大切かがわかります。
ただ時間に流されるだけの人生でもよいのであれば,本書は必要ありません。
けれど,今は漠然としているが,何かに挑戦したいという気持ちが少しでもあれば,ぜひ,一読をおすすめします。
本書を読むことで,自分の可能性を感じさせてくれ,1歩を踏み出す勇気や行動力をわき起こしてくれるのではないでしょうか。
私はさっそく,1歩踏み出してますよ♪
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