こんにちは、hiroです。
今回は、僕が生涯で出会った本の中で、1番おもしろかった本を紹介します。
それが東野圭吾さんの小説「秘密」です。
この作品は広末涼子さん主演で映画化もされています。
本を読んでこんなに感情を揺り動かされたのは、この本が初めてです。
衝撃のラストには思わずうなってしまいました。
スポンサーリンク
東野圭吾「秘密」のあらすじ
ある日、実家へ向かっていた妻「直子」と娘「藻奈美(もなみ)」。
しかし乗っていたバスが転落事故に遭ってしまう。
妻は亡くなり、娘は意識不明の状態。
夫である平介は病院へ駆けつけ、妻の臨終に立ち会う。
そして娘の藻奈美の意識が戻る。
しかしそこにあったのは藻奈美の意識ではなく、妻である直子の意識だった。
つまり、体は藻奈美、意識は直子である。
その日から、平介たちの「秘密」の生活が始まりを告げる・・・。
登場人物に感情移入できる
こんなにも心が揺り動かされたのは初めてでした。
夫の平介と妻の直子が現実とどう向き合っていくかが描かれており、決意と葛藤、苦悩が織り交ぜられています。
娘の体を借りた直子の心の変化は見物です。
妻である自分の意識がありつつも、思春期を迎える娘の意識も芽生えてしまうのです。
夫である平介の妻に対する嫉妬も、男である僕には揺さぶられました。
目の前にいるのは藻奈美なのか直子なのかという葛藤は、とてもリアリティがありました。
ラストは鳥肌もの
※以下ネタバレあります。
とにかくラストに驚かされました。
思わず「えぇ~!?」と声を漏らすほど。
この小説の題名「秘密」は、娘に妻の魂が宿っていることを、世間に秘密にするという話。
そう思っていました。
確かにその部分はあります。
しかし、衝撃的だったラストの結婚式のシーンの部分で悟りました。
これは「妻・直子の夫に対する秘密」でもあったのだということ。
直子は藻奈美の体から自分の意識が遠のいて、いずれ藻奈美は、藻奈美の意識を取り戻すということを平介に告げます。
そして最終的に直子は平介とお別れし、直子の意識は現実世界から消えてしまう・・・。
ここまでは完全に僕もだまされました。
まさかそれが直子の演技だったなんて・・・。
直子は自分の意識が藻奈美の中から消えるフリをしていました。
それは、直子の藻奈美として人生を歩んでいく決意からのものだったのですが、平介にとってはやるせない結末になったのではないかと僕は思いました。
ラストの藻奈美の結婚式のシーンで、平介はじつはまだ藻奈美の意識は直子のままだったということを悟ります。
そのときの平介の心情は、きっとぐちゃぐちゃだったのではないだろうか。
直子の藻奈美として生きる決意に理解をしながらも、最愛の妻を他の男にとられたという嫉妬。
これらがごちゃまぜになった平介の今後の人生はどのようになっていくのだろうか。
男の僕としては、ちょっと耐えがたいかなと思いました。
もうほんとに、僕の感情も揺れに揺れ動かされたので、脱帽です。
東野圭吾作品はおもしろい
東野圭吾さんは「秘密」以外にも「探偵ガリレオ」や「容疑者xの献身」など人気の作品が山ほどあります。
どの作品もとても読みやすく、人物の心理描写が素晴らしいものばかりです。
さらに、ミステリーとしてもおもしろく、常に次の展開が気になるほどです。
まさに現代作家の最高峰。
同じ時代に生きられることを誇りに思います。
スポンサーリンク