AIイラストを生成して、「なんだか画像がのっぺりしている」、 「キャラクターは可愛く描けているのに、SNSで見かける上手な人の絵みたいに、立体感やリアルな雰囲気が出ない」と悩んでいませんか?
そして、その解決策がライティングにあると分かっていても、なんて命令すればいいのか、どんな言葉を使えばいいのか分からなくて困っていませんか?
でも大丈夫。
この記事では、AIイラストの質を劇的に変えるライティングの技法20選と、ただ単語を並べるだけじゃない「光を思い通りに操るための10個のコツ」を詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたは「ただAIに任せるだけ」ではなく、自分の手でイラストをより綺麗に、魅力的に仕上げられるようになるはず。
今日からあなたのイラストのクオリティを、一気に高めていきましょう。
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もくじ
そもそも「ライティング」とは何か?

ライティングとは、文字通り「光の当て方」のこと。 写真や映画、イラストの世界では、ただ被写体を明るくするだけではなく、「どこから, どんな種類の光を当てて、どんな影を作るか」を設計することを指します。
AIイラストにおいてライティングがなぜ大事なのか。
その理由は下記の3つ。
- 立体感が出るから:光と影のコントラストをつけることで、平面的だったキャラクターに奥行きが生まれます。
- 質感が伝わるから:肌の柔らかさ、金属の硬さ、水の透明感などは、すべて光の反射のさせかたで表現できます。
- 感情が伝わるから:夕暮れの光で切なさを出したり、強い逆光で希望を表現したりと、光だけで物語を感じさせることができます。
ライティング・プロンプトは最後尾に置くのが鉄則
結論から言うと、ライティングのプロンプトは、「プロンプトの最後尾」に配置するのが鉄則です。
理由は致ってシンプル。
AIは「最初の方に書かれた言葉」をイラストの骨格(主役)として扱い、後ろに行くほど「全体の雰囲気」を彩る要素として解釈するクセがあります。
キャラクターや衣装を先にしっかり指示して、最後にライティングを添える。
この順序を守ることで、キャラの顔立ちや衣装のディテールを損なうことなく、色のまとまりや立体感を一気に引き上げることができるのです。
表現力を劇的に高める「ライティング・プロンプト20選」
初心者から上級者まで使える、20個のライティング・プロンプトをカテゴリ別に紹介します。
【基本編】立体感を生むメインライト

Rim Light(リム・ライト)
イラストの土台となる、最も重要で汎用性の高いライティングです。
被写体に明快な光と影を与え、のっぺりとした印象を払拭して「そこに実在しているかのような立体感」を生み出すための基本的な手法をまとめました。
- Cinematic Lighting(シネマティック・ライティング)
- 意味:映画風の照明。
- 効果:画面全体に重厚感が出て、ドラマの一場面のような空気感になる。
- Rim Light(リム・ライト)
- 意味:輪郭を縁取る光。
- 効果:被写体の後ろから当たる光。キャラの縁が光り、背景からパッと浮き出して見える。
- Volumetric Lighting(ボリューム・レトリック・ライティング)
- 意味:立体的な光(光の筋)。
- 効果:空気中の埃や霧に反射する光を表現。いわゆる「天使のはしご」が出る。
- Soft Lighting(ソフト・ライティング)
- 意味:柔らかな照明。
- 効果:影の境界線をぼかし、美肌効果や優しい雰囲力を出す。
- Hard Lighting(ハード・ライティング)
- 意味:硬い照明。
- 効果:影をハッキリと出し、コントラストを強める。クールで力強い印象に。
【芸術編】情緒を揺さぶる演出

Golden Hour(ゴールデン・アワー)
単なる明るさの調整を超え、イラストに物語性やドラマチックな深みを与えるライティングです。
光の色温度や差し込み方を工夫することで、言葉では説明しにくい「切なさ」「神々しさ」「孤独感」といったエモーショナルな空気感を一瞬で作り出すことができます。
- Chiaroscuro(キアロスクーロ)
- 意味:明暗対比法。
- 効果:暗闇の中から被写体が浮かび上がるような、古典絵画のような芸術性を与える。
- God Rays(ゴッド・レイ)
- 意味:薄明光線(神の光)。
- 効果:雲の隙間や窓から差し込む、神々しい光の筋を発生させる。
- Golden Hour(ゴールデン・アワー)
- 意味:マジックアワー(夕暮れ時の黄金の光)。
- 効果:すべてをオレンジ色に染め上げる、エモーショナルで温かい光。
- Blue Hour(ブルー・アワー)
- 意味:日の出前や日没直後の青い光。
- 効果:静寂、孤独、幻想的な雰囲力を出すのに最適。
- Backlighting(バックライティング)
- 意味:逆光。
- 効果:被写体をシルエットに近づけたり、髪の毛の透明感を強調したりする。
【テクニカル編】プロが隠し味に使う技法

Dappled Sunlight(ダップルド_サンライト)
絵の「リアルさ」をアップさせて、見た人を「おっ、すごい!」と思わせるための少し難しいテクニックです。
肌が光を透かす様子や、プロのカメラマンが使う特別な撮り方をマネすることで、AIっぽさを消してくれます。
- Subsurface Scattering(サブサーフェス・スキャッタリング)
- 意味:表面下散乱(ひょうめんかさんらん)。
- 効果:光が肌の内部で反射する様子. 耳の透け感や、柔らかい肌の質感を出す。
- Glow Stick Lighting(グロー・スティック・ライティング)
- 意味:ケミカルライトのような発光。
- 効果:サイバーパンクや夜の街角など、ネオンっぽいネオン色の光を足す。
- Butterfly Lighting(バタフライ・ライティング)
- 意味:鼻の下に蝶の形の影ができる照明。
- 効果:ファッションモデルの撮影で使われる技法。顔を美しく、立体的に見せる。
- Rim Lighting from Below(リム_ライティング_フロム_ビロウ)
- 意味:下からの縁取り光。
- 効果:不気味さ、強大な力、悪役の威圧感などを演出する。
- Dappled Sunlight(ダップルド_サンライト)
- 意味:木漏れ日(こもれび)。
- 効果:木々の葉の間から漏れる、斑点状の光と影。癒やしや日常感を出す。
【環境・特殊編】世界観を決定づける光

Bioluminescence(バイオ・ルミネッセンス)
イラストが「どんな場所で、どんな状況なのか」という設定を一目で伝えるための光です。
近未来の街、ファンタジーの夜、賑やかなステージなど、選ぶ光によって絵のテーマがはっきり決まります。
単なる明るさではなく、その世界特有の「空気の色」や「不思議な現象」を表現するのに欠かせないプロンプトをまとめました。
- Neon Lights(ネオン・ライツ)
- 意味:ネオン看板の光。
- 効果:夜の都会や近未来感。多色の光が入り入り混じる複雑な画面になる。
- Candlelight(キャンドルライト)
- 意味:ろうそくの光。
- 効果:非常に狭い範囲の温かい光。親密な雰囲気やファンタジーの夜に。
- Strobe Lighting(ストロボ・ライティング)
- 意味:瞬間的な強い閃光。
- 効果:ライブ会場やダンスフロアのような、躍動感のあるパキッとした描写。
- Bioluminescence(バイオ・ルミネッセンス)
- 意味:生物発光。
- 効果:ファンタジーの植物や深海魚が自ら光っている様子。幻想的。
- Ray Tracing(レイ・トレーシング)
- 意味:光線追跡。
- 効果:物理的に正しい反射や屈折。金属やガラスの質感を最高レベルにする。
ライティングを使いこなす究極の10のコツ

プロンプト:女の子, (制服), (教室), 傑作, ゴールデンアワー(夕暮れの光)
単に英単語を並べるだけでは、AIのポテンシャルを引き出せません。誰もが魅入ってしまうよなイラストを作るために、光を100%コントロールするための10のコツを解説します。
コツ1:キャラの指示の後、一番最後に「光」の言葉を置く
AIに命令するときは、順番が大切です。
まずキャラクターや場所について書いて、一番最後に光のプロンプトを付け足すのが鉄則。
「例: 女の子, (制服), (教室), 傑作, ゴールデンアワー(夕暮れの光)」。
こうすることで、キャラの姿を崩さずに「仕上げの光」を当てるような感覚できれいに作れます。
コツ2:光に「色」を具体的に指定する
単に光を当てるだけでなく、Cyan rim light(シアン色の輪郭光)のように色を足してみてください。
背景の色とあえて「反対の色」の光を選ぶのがコツ。そうするとキャラクターの輪郭がクッキリして、背景からパッと浮き出して見えるようになります。
コツ3:光の「強度(ウェイト)」を調整する
AIは時々、指示した光を適当に流してしまうことがあります。
そんな時はカッコで囲んで(Volumetric Lighting:1.2)(1.2倍の強さの立体光)のように指定してみてください。
まるで空気中に光の粒が溶け込んでいるような、エモい雰囲気がグッと強まるはずです。
コツ4:光源の「位置」を指示して視線を誘導する
Lighting from above(上からの光)は神々しさを、Side lighting(横からの光)はシリアスな雰囲気を演出できます。
一番見せたい場所に光が当たるように向きを指定すれば、見る人の目が自然とそこへ向くような「主役感」を演出できるようになるはずです。
コツ5:ネガティブプロンプトで「白飛び」を抑える
顔が明るくなりすぎて真っ白になるのを防ぐために、ネガティブプロンプトに (overexposed:1.2)(露出オーバー・白飛び) や (bad lighting)(不自然な照明)を入れてください。これで「美しい影」が守られるはずです。
コツ6:影の中のディテールを守る
強い光を当てると影が真っ黒になりがち。
そんな時は Ambient Lighting(環境光・周囲のぼんやりした光)を添えてみてください。
影の中にもうっすら形が見えるようになり、絵に奥行きが出ます。
コツ7:素材の質感と光をセットで考える
Shiny latex(光沢のあるラテックス)や Polished metal(磨かれた金属)と組み合わせると、ライティング・プロンプトがその質感に反射して、画面のリアルさが何倍にも膨れ上がります。
コツ8:内側から発光させて幻想的にする
外から光を当てるだけじゃなく、Internal Glow(内部発光)を使って瞳やアイテムを「内側」から光らせてみてください。
外からの光と内側からの輝きが重なることで、プロが描いたような深みのあるイラストに仕上がります。
コツ9:コントラストを意識して画面を引き締める
High contrast(強い明暗差)でドラマチックにしたり、Soft contrast(穏やかな明暗差)で優しくしたり、これひとつで「どんな雰囲気の絵にしたいのか」というあなたのイメージが、AIにダイレクトに伝わるようになります。
コツ10:仕上げのカメラ効果を足す
最後に Lens flare(レンズフレア)や Bloom effect(光がにじむ効果)を足してみてください。入れるだけで「AIが作った絵」から「カメラで撮ったような最高の一枚」に変わります。
美しい「影」を作るためのコツ

光が上手くなると、今度は「影」の扱いに挑戦してみましょう。
1. 影が真っ黒になる「黒潰れ」を防ぐ
光を強くしすぎて、影がただの真っ黒な塊になっていませんか?
これを防ぐには、 Detailed shadow(詳細な影)と書くか、手順6で紹介した Ambient Lighting(環境光)を足してあげてください。
2. キャラクターの顔が暗くなる問題
カッコいい逆光を指定したのに、顔が真っ暗で台無し……。
そんな時は Front lighting(正面からの光)を少しだけ混ぜるか、 Reflector(レフ板・反射板)という言葉を足すと、顔だけを明るく見えるようになります。
Q&A ライティングの「よくある質問」
Q1:ライティングの指定を増やすと、プロンプトが長くなってキャラや服の要素が消えませんか?
A: それはAIが一度に処理できる「言葉の枠」を奪い合っている状態です。
だからこそ、この記事で解説した「最後尾への配置」が効いてきます。
「光の指定を後ろにまとめれば、AIは前半のキャラ要素を優先して描き、仕上げとして光を加える処理をしてくれる」。
もし要素が消えるなら、光の単語を増やす代わりに「ウェイト」を上げて、数は最小限に絞ってみてください。
Q2:光の表現を加えても、結局「AI感」が抜けなくて叩かれるのが怖いです。
A: AIだとバレる一番の理由は、「光と影の関係がめちゃくちゃで、不自然に見える」から。
例えば、太陽が左にあるのに、影が右じゃなくて前に伸びていたりしたら、誰が見ても「この絵、何かがおかしい」と感じますよね。
この記事で解説した「光の向き(手順4)」や「反射のリアルさ(Ray Tracing)」を意識するだけで、プロが描いたような自然な絵に近づけます。
Q3:光の指定を増やすと、キャラの顔が怖くなったり, 色が変わったりして失敗するのが不安です。
A: それは「光が強すぎてディテールが損なわれている」状態です。
そんな時はプロンプトを全部消す前に、ネガティブプロンプトに (overexposed:1.2) を追加して背景の白飛びを抑えてください。
さらに、メインの光プロンプトのウェイトを 0.8 程度に下げてみてください。
完全に消すのではなく「少し弱める」微調整が、理想のクオリティに立て直すための唯一の失敗を防ぐための安全策です。
今すぐ「光」の順番を入れ替えて納得のいく仕上がりにしよう!
- プロンプトの最後にライティングを置く。
- 20選の中から、自分の理想に近い光を選ぶ。
- 光を足したら、影のディテールも意識する。
今すぐ過去のプロンプトを取り出して、まずはその最後尾に Rim light, God rays と付け加えてみてはいかがでしょうか?
昨日まで「平凡」だと思っていた自分の作品が、輝き出す瞬間を確かめてみてくださいね!
ライティング以外にも、AIイラストを最高の出来にするたくさんのテクニックがあるので、詳しい内容を知りたいあなたは下記の記事をご覧ください。
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