AIイラストで「なぜか線がぼやける」「細部が潰れてリアリティが出ない」と悩んでいませんか?
じつは、AIイラストの品質は「描く内容」ではなく、「品質プロンプト」の有無で劇的に変わります。
この記事では、「MASTERPIECE」「8K」「ULTRA DETAILED」といった品質プロンプトを使う場合と使わない場合で、一体どれほど画質が変わるのかを、比較画像で徹底検証しました。
この記事を読むことで、あなたの作品は即座にプロ級の「傑作」へと進化し、目を引く最高のクオリティを手に入れることができるようになるでしょう。
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もくじ
画像の品質を高めるためのプロンプトとは
品質画像の比較をする前に、基本的な品質プロンプトを押さえておきましょう。
効果的なプロンプト例
- photorealistic: (写真のようなリアルさ)
現実のような質感やディテールを求める際に使います。 - ultra detailed: (超高精細)
細部までしっかり描写してほしい場合。 - masterpiece: (傑作)
一般的に、より芸術的な品質を求める際に使われます。 - best quality: (最高品質)
AIが最高の出力になるように努力するよう促します。 - high resolution: (高解像度)
細かい部分が潰れず、鮮明な画像にしたい場合に。 - 4k, 8k: (4K、8K解像度)
具体的な解像度を指定することで、より精細な描写を期待できます。 - intricate details: (複雑なディテール)
細かい装飾や模様などを描写してほしい場合に。 - sharp focus: (シャープなピント)
被写体にしっかりピントが合っているように。 - cinematic lighting: (映画のようなライティング)
ドラマチックで美しい光の表現を求める場合に。
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【検証】品質プロンプトの「ある・なし」でAI画像の見た目が変わるのか
検証① 笑顔でこちらに手を振る猫耳の女の子
上のイラストは、「笑顔でこちらに手を振る猫耳の女の子、アニメスタイル」という基本的なプロンプトのみで生成しました。
対して、下のイラストをご覧ください。何が違うかわかりますか?
このイラストは、最高の画質を狙うプロンプトの組み合わせを行い、「ディテールを強調するプロンプト」を追加しています。
具体的には、「髪の毛と瞳の輝き」に変化が見られます。
品質プロンプトを加えたほうが、髪の毛が繊細になり、瞳が明るくなっています。
(※口の開閉は今回は関係ありません)
- 使用プロンプト
MASTERPIECE, BEST QUALITY, 8K, ULTRA DETAILED, DIGITAL PAINTING, INTRICATE DETAILS, VIBRANT COLORS, ANIME STYLE, (photorealistic skin texture:0.8), glowing eyes, perfect hair, dynamic lighting, high contrast, studio quality,
A cat-eared girl smiling and waving at the viewer.
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検証② 超リアルなポートレート写真(老人の顔のクローズアップ)
上の画像は、「深いシワと無精ひげのある老人の顔のクローズアップポートレート」という基本的なプロンプトのみで生成します。
下の画像が品質プロンプトを加えたものですが、「肌の質感、遠景の鮮明さ」に注目してください。
品質プロンプトを加えた画像のほうが、顔の肌がよりリアルで鮮明になっています。
さらに、背景が「何となくぼやけている」から「はっきりとぼやけている」という感じになりました。
- 使用プロンプト
MASTERPIECE, 8K, ULTRA DETAILED, SHARP FOCUS, PHOTOREALISTIC, TEXTURED SKIN, FILM GRAIN,
A close-up portrait of an old man’s face, with deep wrinkles and stubble.
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品質プロンプトはたくさん組み合わせて使おう
品質プロンプトは、いくつもの種類を重ねて使うことが非常に効果的です。
例えば、「傑作」だけでなく、「傑作、最高品質、8k…」とプロンプトを羅列することは、画像の品質を高めるための最も一般的なテクニックです。
最高の画質を狙うプロンプトの黄金テンプレート
「最高の画質・品質」を狙うためのもっとも効果的でバランスの取れたプロンプトは、芸術性、技術的な品質、解像度、細部のすべてを組み合わせた黄金テンプレートです。
① 芸術性
masterpiece, best quality
- 意図・効果
構図、雰囲気、全体の芸術的な完成度を最高水準に引き上げます。
② 解像度・ディテール
ultra detailed, intricate details, 8k (または 4k)
- 意図・効果
細部(髪、目、衣装の模様など)を非常に細かく、高解像度で描写するよう促します。
③ 技術的品質
sharp focus, photorealistic (または digital painting)
- 意図・効果
ピントがシャープで、画像がぼやけず、質感のリアリティ(あるいはデジタル画の洗練度)を高めます。
④ 光と色
cinematic lighting, vibrant colors (または dramatic lighting)
- 意図・効果
印象的な照明と、鮮やかで豊かな色彩を要求し、画像の魅力を高めます。
品質だけでなく、画像生成におけるプロンプト全体の順番テンプレートを知りたいあなたは下記の記事をご覧ください。
>>関連記事:AIイラストの呪文には順番がある!実用的で役立つ「プロンプト順番プレート」を読む
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品質プロンプトの「ある・なし」で画質に与える影響は非常に大きい
品質プロンプトがない場合
品質プロンプトを指示するか・しないかで、画質に与える影響は非常に大きいです。
品質プロンプトを指示しないと、AIは画質の「デフォルト設定」を使用し、リソース(処理能力)を節約しようとしてしまいます。
その結果、
- 解像度が低くなる
- ディテール(髪の毛、服のシワなど)が曖昧でつぶれる
- 光の表現が平坦で単調になる
といった画像を生成してしまいます。
品質プロンプトがある場合
品質プロンプトを先頭に指示することで、AIは最高品質の画像にするために処理能力を高めます。
その結果、
- 解像度が上がり、高精細に見える
- 髪の毛1本1本や肌の質感などのディテールが細かく描かれる
- 光と影のコントラストが豊かになり、立体感や雰囲気が増す
といった画像を生成し、最高レベルの芸術作品へと引き上げてくれます。
注意点
ただし、品質プロンプトを指示しても、あまり効果が見られないことがあります。
それは、もともとデフォルトの画質がすでに高いから。
使用するAIツールや画風によっても効果が薄いこともあります。
以下、品質プロンプトを指示しても効果が小さかった画像の検証結果です。
検証③ サイバーパンクな都市の夜景
上の画像は、品質プロンプトなしの「サイバーパンクの都市の風景」です。
対して、品質プロンプトを指示した下の画像を見てみると…。
見た目、変わったのがわかりますか?
一応、光の表現や質感が変わったみたいですが、パッと見ただけではわかりません。
- 使用プロンプト
MASTERPIECE, BEST QUALITY, 8K, ULTRA DETAILED, SHARP FOCUS, PHOTOREALISTIC, CINEMATIC LIGHTING, VIBRANT COLORS,
A cyberpunk city night view.
検証④ カフェでくつろぐ美しい女性
上のイラストは、品室プロンプトなしの「カフェでくつろぐ美しい女性、リアルに近いアニメスタイル」を生成したものです。
対して、品質プロンプトを指示してみると…。
違いが分かりますか?
正直どこがかわったのか、わかりませんよね。
- 使用プロンプト
MASTERPIECE, BEST QUALITY, 8K, ULTRA DETAILED, DIGITAL PAINTING, INTRICATE DETAILS, VIBRANT COLORS, ANIME STYLE, (photorealistic skin texture:1.1), glowing eyes, perfect hair, dynamic lighting, cinematic lighting, high contrast, studio quality,
A beautiful woman relaxing in a cafe, realistic anime style.
このように、品質プロンプトを指示しても、ほとんど変化が生じないAI画像もあるということですね。
しかし、プロンプトに組み込まないのはもったいないので、変化の有無にかかわらず、使用すると良いでしょう。
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品質のネガティブプロンプトを有効利用しよう
通常プロンプト内でのネガティブプロンプトの利用
使用するAIツールによっては、ネガティブプロンプトを指示できる欄がないこともあります。
そのようなときは、通常プロンプトの中で、ネガティブ要素を排除するようにしましょう。
具体的には、キーワードの中に、「without」「no」「not」「avoid」などの否定的な意味を持つ単語を使います。
- 例:文字を避けたい場合
a beautiful girl, no text, without letters
(美しい少女、文字なし、レターなしで) - 例:低品質を避けたい場合
masterpiece, best quality, avoid low resolution
(傑作、最高品質、低解像度を避ける)
しかし、この方法は、専用のネガティブプロンプト欄がある場合と比べて効果が弱くなることがあるのでご注意を。
ネガティブプロンプトの対義語を通常プロンプトに加える
もう一つのネガティブプロンプトの欄がない場合の対処法は、ネガティブ要素の対義語を通常プロンプトに組み込むこと。
例えば、
- low quality (低品質) → high quality (高品質), best quality (最高品質)
- bad quality (悪い品質) → masterpiece (傑作)
- extra limbs (余分な手足) → correct number of limbs (正しい数の手足)
このように、AIに「してほしくない」というネガティブな要素を、「してほしい」というポジティブな要素のプロンプトを組み込むことで、品質の高い画像を生成することができる可能性があります。
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画像生成AIでよく使われる品質プロンプト一覧
通常プロンプト
MASTERPIECE (傑作)
構図、色使い、芸術性を高め、作品全体の完成度を最高水準に引き上げる。
BEST QUALITY (最高品質)
AIに対して、出力の質を最大化するよう強く要求する。MASTERPIECE
とセットで使われることが多い。
8K / 4K
高解像度の出力を求め、ディテールが潰れるのを防ぎ、シャープ感を向上させる。
ULTRA DETAILED (超高精細)
描かれる被写体や背景の細部まで、情報量を増やし、緻密に表現する。
INTRICATE DETAILS (複雑なディテール)
特に模様、装飾、テクスチャなど、複雑で入り組んだ細部の描写を強化する。
SHARP FOCUS (シャープなピント)
被写体にしっかりピントが合い、ぼやけ(ブレ)がない鮮明な画像にする。
PHOTOREALISTIC (フォトリアリスティック)
質感、光沢、影を現実に近いレベルで描写し、写真のようなリアリティを与える。
DIGITAL PAINTING (デジタルペインティング)
デジタルで描かれたプロのイラストレーターのような、洗練されたタッチや筆致を再現する。
CINEMATIC LIGHTING (映画のようなライティング)
ドラマチックな光と影のコントラストをつけ、雰囲気を強調し、立体感と深みを出す。
VOLUMETRIC LIGHTING (ボリューメトリックライティング)
光が空気中のチリや霧に反射する表現(木漏れ日、光線)を強化し、奥行き感を出す。
VIBRANT COLORS (鮮やかな色)
色彩を鮮やかで生き生きとしたものにし、視覚的なインパクトを強める。
DYNAMIC LIGHTING (ダイナミックな光)
動きや躍動感を感じさせるような、劇的で強弱のある光の表現を加える。
HIGH CONTRAST (ハイコントラスト)
画像の最も明るい部分と最も暗い部分の差を大きくし、画像の締まりと迫力を増す。
BOKEH / DEPTH OF FIELD (被写界深度)
ピントの合っている被写体以外(特に背景)をぼかし、被写体を際立たせる(一眼レフ写真のような効果)。
TEXTURED SKIN (テクスチャのある肌)
肌の毛穴、産毛、シワなどの質感を細かく描写し、ポートレートのリアリティを大幅に高める。
EXTREMELY DETAILED EYES (極端に詳細な目)
目の虹彩、ハイライト、光の反射などを非常に細かく描写し、キャラクターに生命感を与える。
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ネガティブプロンプトとして指示した効果
(low quality) / (worst quality)
AIが低解像度や粗いテクスチャの画像を生成するのを防ぎ、出力品質の基準を引き上げる。
blurry / (bad quality)
画像全体または一部がぼやける、ピントが合わないといった技術的な欠陥を防ぐ。
deformed / disfigured
人物やオブジェクトの形が歪んだり、不自然に変形したりするのを防ぐ。
bad anatomy / malformed limbs
人物や動物の体の構造(骨格、筋肉、比率)がおかしくなるのを防ぐ。
extra limbs / missing limbs
腕や足、指などが不自然に多い(六本指など)または欠けている状態を防ぐ。
malformed hands / extra fingers / missing fingers
AIが苦手とする手の描写(指の数、形、関節)の失敗を特に強く排除する。
ugly / mutilated
不快な見た目、損傷したような描写、または意図しない醜い表現を避ける。
text / watermark / signature
意図しない不自然な文字、ロゴ、透かし、作者サインなどが画像に入り込むのを防ぐ。
cropped / out of frame
被写体の一部が不自然にフレーム外で切れてしまうのを防ぎ、全体の構図を整える。
duplicate / cloned
同じ物体や人物が不自然に複製されてしまう現象を防ぐ。
dark / monochrome
画像が暗くなりすぎるのを防ぎ、カラー画像で単調な白黒になるのを避ける。
low contrast
画像の明暗差が小さく、平坦で締まりのない画質になるのを防ぐ。
noise / grain
画像にノイズや粒子感(ザラつき)が不必要に入るのを防ぐ。(ただし、リアルな写真ではfilm grain
をポジティブプロンプトで使う場合もあるため注意)
- コピペ用
- (low quality) / (worst quality) ,blurry / (bad quality) ,deformed / disfigured ,bad anatomy / malformed limbs ,extra limbs / missing limbs ,malformed hands / extra fingers / missing fingers ,ugly / mutilated ,text / watermark / signature ,cropped / out of frame ,duplicate / cloned ,dark / monochrome ,low contrast ,noise / grain
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>>関連記事:【完全版】あなたのイメージどおりのAIイラストの作り方を徹底解説!を読む
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